宮城県の水道事業に関するデマへの対応
テレビ東京から宮城県への謝罪
令和5年2月2日付のnoteで、私は宮城県の水道事業の民間委託の件と水道水に関するデマを拡散している人達について書いた。
実は、この時は気付いていなかったのだが、先のnoteを書く2日前、テレビ東京が昨年9月の番組において宮城県の水道事業に関する誤った内容を放送していたこと、それに対して宮城県知事が「放送倫理・番組向上機構」(以下BPOと表記する)に申し立てを行ったこと、さらに、その申し立てを受けて、テレビ東京社長が放送内容の誤りを認め謝罪の意を表明していたことが報じられていた。
この件について私が知ったのは、その約2週間後。
テレビ東京からの謝罪を受けた宮城県の村井嘉浩知事の定例記者会見を報じた記事である。
この記者会見において、村井知事は誤った内容が放送されたことに対してBPO申し立てを行った事実とともに、謝罪を受け入れたがBPO申し立ては取り下げないことを明言している。報道へのリンクの前に、記者会見の内容を掲載した宮城県のホームページを確認する。
(本件についての質問は、この日の定例記者会見の一番最後に出てくる。)
私が最初に目にした、これらを報じた記事も、下記にリンクを提示しておく。
では、村井知事に謝罪した後、テレビ東京が実際に掲示している謝罪文とはどのようなものなのか。
実際の番組ホームページで確認してみる。
たったこれだけである。
どのような説明の中で「誤った表現」を用いたのか、具体的にどのような「誇張した表現」をしていたかの記載も無い。
しかも、この短い謝罪文が掲載されたページへのリンクすらテレビ東京ホームページのトップ画面には表示されてない。番組名を正しく検索し、番組のオフィシャルホームページまで辿り着いた人だけが目にするものである。
また、先に引用した知事の記者会見にもあるように、番組(放送)での謝罪はあくまでも「次回の放送」であり、それがいつ放送されるのかすら現時点では明確にされてはいない。
地上波テレビ番組でデマを拡散し、県や事業従事者に多大な迷惑をかけても、たったこれだけで済むのなら、テレビ局による風評加害はこれからも収まることは無いだろうと絶望的な思いが湧き上がってくる。
それでも、宮城県からのBPO申し立てが無ければ、これすら無かっただろう。
謝罪など無く、こんな小さな目立たない訂正記事すら掲載されることは無く、勿論、新聞各紙で報じられることも無かっただろう。どこにも訂正されないまま、「テレビでやってたから本当なんだろう」と思い込む人達によって、宮城県の水道事業は外資に買い取られた(故に危険である)といったデマがより一層拡散され続けていた可能性すらある。
私個人としてはテレビ東京に対して今も腹立たしさを感じてはいるが、それでも、今回の件が、宮城県の水道事業に関するデマ払しょくの第一歩となることを願いたい。
デマの訂正に応じない人達
水道事業に関するnoteを公開した後、ありがたいことに多くの方々が記事を拡散してくださった。noteを利用されている方はまだ多くないものの、ツイッターでのフォロワーの方々のご協力もあり、少なくとも自分の周囲では宮城県の水道事業に関する誤解や不安は払しょくされたと感じる。
しかし、説明を聞かない方、というのも、残念ながら存在する。
法律を読まず、科学的数値の基準を学ばず、デマがデマであることを頑なに認めない人達である。
具体例の提示は個人攻撃になってしまうので控えるが、中には、宮城県の水道事業や水道水についてのデマを拡散するだけでなく、使用が認められている農薬について過剰に不安を煽ったり、安全性が認められている東北産の海産物や農作物を忌避するよう呼びかける等、各方面に対して常軌を逸した言動を重ねている方もいる。
2月4日付のnoteに書いたこととも重なるが、水道事業だけでなく農業、水産業その他あらゆる事業に対し、事実に基づかない記事や憶測でしかない言葉が拡散されることには怒りを覚える。そういったデマにより、利用者・消費者に不必要な不安が広まり、その果てに事業者が攻撃されてしまうようなことは、もう繰り返して欲しくない。
その為にも、今回、宮城県知事がテレビ東京に対してBPO申し立てを行ったように、デマに対しては、毅然とした態度を取っていただきたいと思う。
事実を説明する意味(たとえその人に伝わらなくても)
先日、ツイッターを見ていた際に、料理研究家のリュウジ氏のこのツイートが目に留まった。
こちらのやりとり、そして最後の一行に、励まされた思いがした。
デマを拡散したい人達を説得することは無理でも、そのデマに騙される人達が一人でも減るように、正しい情報を広める事は出来る。
以下は、自己紹介になってしまうが
プロフィールに書いてあるとおり、私は大学の文学部国文学科出身で、現在は技術者として民間企業で衛生管理や設計に従事している。理系出身ではない自分が現在の仕事に就くまでには様々な紆余曲折があり、働きながら独学での資格取得には苦労もあった。
けれど、水道事業に関する様々なデマについて調べてゆく中で、文系出身の自分だからこそ、この仕事で役に立てることもあるのではないかと思うようになった。
優れた技術や法律等の豊富な専門知識を持つ人が、それを説明する力にも秀でているとは限らない。
もともとは「素人」で文系の人間だった自分だからこそ、専門用語ではない言葉で、専門外の人達が読んでもわかりやすいよう説明出来ることも、あるのではないか。
今の仕事に就いてから、あらためてそう感じている。
これからも、自分自身と家族の暮らし、そして何より本業の仕事を優先しながら「無理なく出来る範囲で」ではあるけれど、自分なりにこのnoteでの情報発信を続けてゆきたいと思うし、それが誰かに伝われば嬉しく思う。
(ちなみにリュウジさんのレシピ、いくつも参考にさせていただいています。ペペロンチーノは我が家の週末の定番です(^^) )
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