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赤西仁さんのLive《Blessèd》の照明に度肝を抜いた件について。

はじめまして。
皆さん、自粛生活いかがお過ごしでしょうか。

現在、様々なアーティストがYouTubeなどで過去のライブ映像を配信していますね。
そんな中、ある友達から「赤西仁のライブ配信されてるから見てよ!!照明がやばい!!」と連絡がきました。どんなものかと軽い気持ちでみてみたら、まあ本当にすごいじゃないか........。それを語りたいと思いました!!!!
一応、照明でご飯を食べているものなのですが、まだ、社会人も照明も1年目です。しかもわたしが扱っているのは演劇やミュージカルなどの舞台照明で、コンサートの照明とはお門違いな部分もあるかとは思います。細かいことはご了承ください。そして、間違いがあったら全力で謝りますので、専門性のある方はどうか軽い気持ちで読んでいただけたら嬉しいです。

【 この後使用している動画には期間限定のものも含んでいます。期限切れで視聴できなくなっていたら申し訳ありません。 】

それではいきましょう。

まず、前提知識として覚えていただきたいことなのですが、使われている照明の種類は大きく2つに分類できます。(突然堅苦しい話ですがしばし我慢を...)

⑴ ムービングライト
⑵ ピンスポット

ムービングライトは一番多用されている照明で、全てデジタルで制御できます。「この曲のここではこのスポットは何色でここに当ててこう動いて...」というのを事前に全て操作盤に記憶させておくため、本番はボタン一つで 複数のスポットの付き消し・色を変えること・動かすことなどができます。
そして続いてのピンスポットは、ムービングとは違って人間の手動で制御する明かりです。人が常に操作しているので、演者の急な動きがあっても追いかけて照らし続けることができます。(イメージが湧かない人はググってみてください!)
その他、一般と呼ばれる機材などもあるのですが、大きなコンサートでは目立って使われないため割愛します。

さて、前置きが長くなりましたが、赤西さんの個人的すごいと思ったところを説明します。

まず、コンサートで一番ボルテージが高まると言っても過言ではないオープニング。

照明のセオリー的には、【登場する瞬間=観客が本人をみたい!と思う瞬間】な訳であり、明るくバッチリ本人を映し出すのが通例です。

ちなみに、わたしは照明の役割は大きく分けて2つあると思っています。1つは、演出的な側面。皆さんの照明と聞いてイメージするように、線(ビーム)を出したり、舞台に色をつけたり、そのまま演出的な役割です。ムービングライトが担当します。

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そして見落としがちな2つ目はしっかり演者の顔を見せるという役割。ムービングライトとここでピンスポットが活躍します。演出的な側面というのはあくまで照明の2次的な目的であると個人的には思っていて、一番大事なのは演者の顔を明るく照らすことです。

でも、なんと、赤西さんの照明、出から本人真っ暗じゃないですか......。でもただ暗いのは他のコンサートでもよくあることで、その場合は、暗い中で登場して曲の頭とかでスーと明るくなったり、曲の決まりの「ジャン!!!!」とかでパッと明るくなるのが通常です。
でもこの明るくなるタイミング、曲の歌い出しでもなく拍頭ではあるものの気持ちいい切れ目ではなく、なんとも微妙なタイミング......。。ナンダコレハ....。。
しかもバラードではフェードインと言いますか、ゆっくりスーーと明るくなるのが普通ですが、0.5秒くらいで曲の雰囲気に合わずパッと明るくなります。それも驚き.......。

【▲せっかちな方、0:50あたりからどうぞ。】
そして、驚きポイントは続きます。その曲冒頭で明るくなった後、すぐまたちょっと暗くなるんですよ。でもすぐ明るくなるんですよ(笑)。
え、なんですか?赤西さんがステージに立っているのに、みんな赤西さんの方見てるのに、一瞬本人暗くなってもいいんですか?(笑)。そんなのありなんですか????(笑)。ピンスポットも全然出てないし...。
下の写真見比べていただいたらわかるでしょうか?顔色が全然違いますよね。

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(※見る角度(座席)によって見え方が違うのは言わずもがなです。生で見たときはこんなんじゃなかったぞー!という意見は正論かと思われますので今後もご了承を...。わたしは映像のカメラの視点から照明をみて感じたり汲み取ったことを書いています。)

よくみると、この明るくなったり暗くなったりの仕組みは曲に合わせて光を左右から交互に当てていたことによるものでした。
今下の写真では右側のピンクの矢印から白い光が出ていますが、これが曲に合わせてある程度の速度を持って左側からの光に変わったりするのです。

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最初に述べたように、照明は顔をしっかり見せること第一ですから、このような片方だけからしか顔を当てない光の当て方は、とても珍しいと思われます。そして、この当て方が超美しい。。。。

( 雑談①:あ、他にもオープニング顔暗いアーティストいました。V6のThe ONES。でもこれは、「光を当てない」のではなく「当てている光の色を濃くする」手法で、ダンス中でよく使われますね。赤西さんのこのライブではAll Abou Youとかがまさに。綺麗な照明です.....。)


(雑談②:あと“オープニング顔が見えない照明”関連で、Superflyさんカッコイイので紹介したい。1目の映像(1:40)はこれは両サイドからのみ、2つ目の映像(0:20)は後ろからの光のみの光で、どちらも前からの光を徹底排除なので、顔は暗いです。はあ...素敵....。。。)

はい。雑談がすぎましたが、元の話に戻ります。


そして、この曲のこの後のピンスポットを出すタイミングも絶妙なんです。

スクリーンショット 2020-04-22 5.01.44

普段、コンサート映像を見ていても、ピンスポットに注目することはありません。なぜなら、常に出ているものだから(特に典型的なジャニーズのライブとか...)。でもこんなタイミングで出されたら注目せざるを得ません。映像で簡単に確認できるので是非みてみてください。

さて、一曲だけなのに結構な文面を書いてしまいました。(笑)
ちょっと疲れたので、最後、わたしの大好きなピンスポット(略称:ピン)についてもうちょっと語って終わりにします。(笑) すみません。(笑)

ピンはこっちの2016年のライブの方がわかりやすく多用されていますね。下に画像を2つ並べたのはその映像を静止画で切り取って説明を加えたものです。上の画像が38分あたりのところで下の画像は33分あたりのところです。

画像7

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皆さんのイメージ通りかとは思いますが、ライブで見るのは上の画像のようなピンスポットが多く、下のような、ソフトで小さくとる当て方はどちらかというと演劇的で、ライブで見ることは少ないように思います。

( 雑談③:ちなみに演劇やミュージカル、オペラではこうやって手を入れるか入れないかぐらいの上半サイズのソフトで人を追うのが通常です。

よろしければ上の動画の冒頭だけ見てください。これはそれよりさらに攻めていて胸くらいのサイズでとっていますが。)

そして、本題のBlessèdでみていただきたいのが、【38:25】から。
ここからはピンのみで魅せています。
このピンの何が凄いのかというと、取るサイズとセンスです。

スクリーンショット 2020-04-24 1.05.28

まず驚いたのが 顔だけサイズ
劇場ならまだしも、それよりもはるかに距離のあるコンサートホールでこのサイズのピンは、想像するに凄い難易度なはず...、(ある程度大きくして上に逃がしているのはわかるのですが、それにしてもです...。)
それだけではなく、この後、赤西さんの動きに合わせてピンの当たる位置が不安定でランダムになるんですよね

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これは静止画よりも是非とも動画で確認いただきたいのですが、2枚目は顔と右肩のみ当たっています。この、右肩だけを明るくするセンス!!!!!右肩なんです!!右肩!ミギカタ。migikata.........
動きによる偶然性なのか、赤西さんの細かい指示なのか、詳しいことはわかりませんが、とにかく気になるかた、動画で確認ください。Blessèd【38:25】あたりからです。
別に肩フェチではないですし、赤西さんの肩が特別カッコイイ訳ではないですよ(笑)。でもこのようなアシンメトリーに当たる光って 私的に最高にカッコイイんです。

そして これだけ魅せるピンはコンサートで本当に珍しく思います。

伝わりますかね...。。。

はい。

まとめます!!!(笑)

タラタラと話しましたが、結局すごいと思ったポイントをまとめると1点だけなんですね。照明を、光を、徹底的に演出面で捉えているということ。
自分の顔が見えようが見えまいが、照明が存在するのは自分に光を当てる手段・自分を"見せる”手段なのではなくて、あくまでも“魅せる”手段で、映像とかと同じ次元にいるんですね。それって皆さんからしたら別に驚くことでもないかと思うのですが、わたしからしたらすごく不自然で驚くべきことです。中盤で話しましたが、わたしとしては照明の存在意義は役者を明るくすることが第一で、演出は第二だと思っていますから...。

あと照明のデザイン自体は非常にシンプルなんですよね。色も多用してないし、ビームを使うときはビーム、ピンで見せるときはピン。魅せるもの、魅せたいところが明確で気持ちの良いデザインです。
そして、シンプルであればあるほど、役者の立ち位置というものが大変需要になってきます。ピンは人がその場で動かすので関係ないのですが、ムービングは事前に光が当たる位置を記憶しているためです。つまり、本番その位置に立たないと想定通りの絵にならないシーンがたくさんあるのですが、赤西さんはさすがそういうところが完璧ですね。(役者なんだから立ち位置に立つのなんて当たり前だろ、と思っている方たくさんいるかと思いますが、これが難しいんですよ...。光に入らないプロの役者、いっぱいいます。)


本当に、赤西さん、素敵です。
特にファンでもなく曲も一曲も知らなかったですが、思わず見とれてしまいました。

わたしは仕事が全部飛んで鬼暇なので、会社が心配ですが、こうやって新しいライブに触れたりエンターテイメントに触れたり、気を紛らわせながら楽しんでいます。
皆さんも、自分なりの楽しみを見つけて、なるべく外出しないように、それでして気を病まないように。
もし暇でしたら一緒になんか語りましょう。(笑)

拙い文章ですが最後まで読んでくださりありがとうございました!!

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