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ナポレオン1世が惚れ込んだ、シャンパン界の皇帝の物語

フランス王室の公式シャンパンに


フランスのシャンパーニュ地方といえば誰もが知るシャンパンメゾンの聖地。名だたるメゾンが立ち並んでいるが、その中でも圧倒的な知名度を誇り、唯一無二の存在感を放っているメゾンが、エペルネという町にあるMOËT & CHANDON(モエ・エ・シャンドン)だ。

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同社の歴史は1743年にまで遡る。

シャンパーニュ地方の名門モエ一家の一員であるワイン商クロード・モエが、エペルネにメゾン・モエを設立する。商才に長けていたクロードは、1748年フランス王室の公式シャンパンに選ばれるという功績を残し、フランス王ルイ15世やポンパドゥール夫人が愛飲したことからヴェルサイユ宮殿の貴族のあいだでも親しまれたそうだ。

なお、ルイ15世とポンパドゥール夫人がともに過ごすときには、数百本ものモエ・エ・シャンドンを運び込ませたという。


初代が残した偉大な功績を受け継いだ3代目のジャン・レミー・モエは、「シャンパンの魔法を世界中に」を合言葉に、シャンパンの品質を向上させることに全力を注ぐ。

皇帝ナポレオン1世が戦勝酒として重宝したことでも知られ、ジャン・レミー・モエに勲章を授与した。さらに、ヴィクトリア女王もモエ・エ・シャンドンの虜になったなど、エピソードのスケールは桁違いである。



ラグジュアリーとセレブレーションの象徴


その後、ジャン・レミー・モエの息子のヴィクトール・モエと、娘婿のピエール・ガブリエル・シャンドンが後継者に指名されたことで、現在の社名であるモエ・エ・シャンドンが誕生。

ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界市場を開拓していき、”シャンパンの盟主”としての地位を確立する。

1971年にはコニャック製造会社のヘネシーと合併して「モエ ヘネシー ホールディング カンパニー」に。さらに1987年には、ルイ・ヴィトングループと合併したことで、「LVMH モエ ヘネシー ルイ ヴィトン」という世界的なラグジュアリーグループに名を連ね、現在に至るまでその発展は留まることを知らない。


日本でも馴染みの深い銘柄といえば、ドン ペリニヨンだろう。モエ・エ・シャンドンと同じエペルネにてシャンパンの父とも言われる修道士ドン・ピエール・ペリニヨンの名にちなんだこの銘柄。熟成年数が長く、少なくとも8年の熟成を行うことから、高級ワインとして世界でも圧倒的な知名度を誇っている。

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ナポレオンから受け継がれる「勝利」「セレブレーション」の系譜


もう一つ、モエ・エ・シャンドンを代表する銘柄が「モエ アンペリアル」だ。誕生したのは1869年。ナポレオン1世の生誕100年を記念して「皇帝(アンペリアル)」の名を冠して生まれ、成功やセレブレーションのシンボルとして人々に親しまれてきた。

1967年、フランスで開催された「ル・マン24時間耐久レース」で優勝したダン・ガーニーが表彰台から思わずシャンパンを振りまいたことから、以後スポーツ大会のセレブレーションの定番となる「シャンパンファイト」が生まれた。その時に使われたシャンパンこそが、モエ アンペリアルだったのだ。

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©️689078231, Chris Smith / Popperfoto / Getty Images


以後、スポーツ界はもちろん、ゴールデン・グローブ賞のパーティーや、映画『プリティウーマン』『華麗なるギャツビー』のワンシーンなどにも登場し、特別な瞬間を象徴するアイコンとしてモエ アンペリアルは世界中のセレブリティに愛されてきた。


2019年は、このモエ アンペリアルが誕生して150年となる節目の年。モエ・エ・シャンドンは、150周年アニバーサリーを記念して、Impérialの頭文字「 I 」を刻んだ限定ボトルを発売する。

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特別な日のお祝いに、大切な人への贈り物に、フランスの英雄や世界のセレブリティが愛飲した王道シャンパンを用意してはいかがだろうか?


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