おれはメレンゲを作ったことがあるぞ

メレンゲ作ったことありますか、メレンゲ。
玉子の卵白を延々と泡だてて、手で掴めるほどにフワフワにしたやつです。
ホイップクリーム作りでもかまいません。ありますか。ホイップクリーム。

どちらにも共通して言えるのは、初めて作るときに、強い信じる心が必要ってこと。
あ、この場合、電動ホイッパーではなく泡立て器で人力でしゃかしゃかやる場合の話で進めております。

あの、まあ、すごい、信じる心が問われます。
メレンゲ作り。
まあつまり、ボウルの中の卵白を泡立て器で10分くらいシャカシャカやりながら「これホントにフワフワになるのか!?」って気分になる。
まじで、なかなかならない。フワフワに。
なんか空気含んできたなぁくらいにはすぐに達する。
おっ、こういうことか、なるほどこのまま混ぜ続ければ、あのメレンゲとやらになるんだな。
とか、思って混ぜ続ける。
でも全然そこから変化しない。
けっこうしばらく変化がない。
いや、もちろん初挑戦とか故の、混ぜ方の下手くそさとか腕のスタミナ的なこともあるかもなんですけど、とはいえ、変化がない。
でもある程度時間と体力消費してくると、諦めるのも癪にさわるので、意地で混ぜ続けます。
意地で混ぜ続けるその意地すら萎えてきて、もはやただ混ぜる動作のままバグったロボのように惰性でそれでも混ぜ続けてると、メレンゲが出来あがるのだ。
なんか、投げ出さずにがんばったら出来るものなのだ、メレンゲは。

で、えーと、先日、ある朝、妻が「助けてー」とぼくを起こした。
何事かと思ったら、髪にカーラーがぎっしぎしに絡みついていて自分では取れなくなったらしい。
見るとほんとにぎっしぎし。
ただ巻きついただけじゃなく、幾重にも絡み合い結ばり合い、もはや癒着してるのでは!?くらいの感じ。
妻はもう「髪切るか、なんとかオシャレな髪飾りってことにして仕事いくしかない」ってとこまで考えてた。
まあ、ほどけたらベストなので、なんか、羊羹たべるときの竹のくもじ出してきて、髪とカーラーの癒着部分に差し込んではちょっとだけグイっとやるのを繰り返した。
あれなんです、ほんのちょっとはそれで結び目が緩んだような気がするんです。
気がするっていうのは、複雑に絡み合い過ぎててどこがどうなれば緩んでることになるのかわからないからなんですけど、まあ、そんな、おんなじような作業を20分くらいらやってた。
朝ごはんも作んなきゃなので、朝ごはん作る妻の後ろをついてまわりながらずっと格闘した。
そしたら解けた。カーラー取れました。わーい!アドレナリーン!カタルシスー!
妻にはヒーローと称えられた。へへへ。
あれなんすよ、妻、いま髪伸ばしてて、こんなことで切りたくなかったけど切るしかないって覚悟してたみたいで。

いや、えーと、違くて、や、まあ、違わんですけど、まあ、諦めなければ突破できる! ということ。
そういうことです。
あの、まじで、自分でも妻の髪とカーラーの絡まりを見たとき、よく諦めなかったなと思った。
なんで諦めなかったんだろう。
なんでどれだけ時間かかるかわからんけど諦めずにやったらほどけるだろう、って思えたんだろう。
って、考えたら、メレンゲ作ったことあるからだ。
と、思った。
ありがとう、メレンゲ。

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