慈悲無き娘とバトる夜
4歳娘はスーパーマリオにどハマりしてて、ぼくもこどものころマリオ好きで、よく取説のイラスト模写してたなーとか、親にマリオのキャラの絵描いてもらったの嬉しかったなーとか思い出したので、娘がスーパーマリオ・ワンダーの実況動画みてる傍らでお絵かきした。
テレサを描いたので、
「ほら見て! じゃーん!」
と娘に見せるが、
「…………くちの中いろぬってへんやん」
と意外と塩だった。
言われる通りに口の中の色も塗ってまた見せると、今度は、
「べろでてへんで」
って。細かいな。ってかよく覚えてるな。
娘がみてる動画にキングテレサが出てきたので、自由帳にでっかく描いた。色も塗った。
「見てみて! じゃーん!」
と、また娘に見せると、
「わぁ! すごぉい!!」
といいリアクション。気持ちいい。
「ねえねえ、とうちゃん。ピーチ姫かいてよ」
ぼくの描いた絵が娘の心を多少つかめたようで、娘最愛のキャラのリクエストをいただいた。
「いいよ。何ピーチがいい? 人魚? カンフー?」
「ううん」首を横にふる娘。
「じゃあ普通のドレスのピーチ姫?」
「うん!」
そして描いたのがこちら。
「…………ちっちゃい。もっとおおきくかいてー!」
「えー、がんばって描いたのに。もうお風呂の時間やし今日はここまで!」
娘が手厳しすぎたので、ちょっとムッとして、お終いにしようとする我。
「いやや! おっきく描いて!」
「えーもう、このピーチ姫もかわいいやん」
「かわいくないの! おおきいのがいいの!」
娘はたぶんでっかいピーチ姫で塗り絵したいんだろうな。
でもぼくもけっこうがんばって模写したのに全否定されたことで「なにをー!」ってなってたので引き下がらない。
「ピーチ姫描いてって言ったから描いたやろ。今日はもうお終い!」
ってぼくがきっぱり言うと、娘は、ぴええええええ! と高音で泣いた。
ぴええええってほんとに言うんだ。
「いや、もう時間も遅いしさ」
「ぴえええええ!」
「ちっちゃいかもしれへんけどピーチ姫やん」
「ぴえええええ!」
「がんばって描いたのに、そんな泣かれたら父ちゃんもかなしいわ。もう描かへん!」
「ぴえええええええええええええ!!」
とかやってると、おかあちゃんが、
「もうお風呂入ってねんねする時間やからさ。今日はかあちゃんといっしょにお風呂入ろ?」
と助け船を出してきた。ぼくは娘に、
「ええやん、お風呂おかあちゃんと入ってき。それやったら、その間に大きいピーチ姫描いてあげる」
と言った。娘のお風呂とお絵かきを同じ時間にやれるなら、再度のお絵かきはアリだ。
そして、娘とおかあちゃんがお風呂に入っている間に、パティシエピーチを描いた。
任天堂公式サイトの『プリンセスピーチ・ショウタイム』の特設ページには塗り絵DLページがあり模写しやすい。ありがてぇ。
そしてお風呂上がりの娘に描いた絵を見せると、
「うわぁ……フフフフ」
と笑った。
「どう? いいやろ」
「うん」
よし。
「いいけど……」
いいけど?
「え?」
「クツのところこんなにながくないで」
なんか一言多いことに他意は全くないんだろうな。
「えー、クツこんな感じやで」
「そうか!」
すぐ納得した。
でも思ったよりリアクション薄いな。がんばったのだが。
「ふわあああぁ!! かぁわいいぃぃいぃいい!! とうちゃんすごぉおぉおぉおぉおおい!!!」
みたいなのを、うっすらとだが期待していたので(なぁんだ、まあそんなもんか……)と少しだけ寂しかったが、そのあと娘が色鉛筆を取り出してきて塗ろうとしたので、ワクワクしてくれてるってわかって嬉しかった。
ただこのとき22時前。ねようぜ!!!!
結局ちょっと塗った。
夜遅いのはアレだけど、ぼくが描いた絵で娘が塗り絵してるという情景はむちゃくちゃすげえ最高だった。
読んでいただきありがとうございます!!サポートいただければ、爆発するモチベーションで打鍵する指がソニックブームを生み出しますし、娘のおもちゃと笑顔が増えてしあわせに過ごすことができます。