ファミリー夜更かし
4歳娘が保育園から帰る自転車で寝てしまい、そのまま家についてからも2時間ほど寝てしまったので、夜はやく寝かせるのは諦めてみんなで夜更かしした。
娘はプリキュアの塗り絵をし、ぼくは本を読み、かあちゃんはワークアウトなどをしていた。
「かあちゃん、次なにいろでぬってほしい?」
娘が振り向いて言うと、かあちゃんが、
「えー、じゃあ、ピンクかな。濃いめで」
と応える。
娘は「いいねぇ」と言ってまた塗り始める。
「とうちゃん、ここは何いろで塗ってほしい? とうちゃんにふさわしい色ちゃうで。わたしにふさわしい色ゆってや」
ぼくだけ自由意志が少ない。
「え、そしたら、これ、スカートのとこシルバーは?」
「・・・・・・」
はーん? みたいな顔をする娘。
「ほな、あれ、水色とか良いと思うで」
「おぉ、とうちゃん、それええなあ」
娘はまた塗り絵に戻る。
ぼくは読書をつづける。
かあちゃんはストレッチをする。
テレビはつけているが夜も遅いので(この時点で21時半)、YoutubeのBGM動画を流す。
「ゼルダの伝説」のリンクが原っぱで昼寝をしてるだけの動画だ。
「とうちゃん、このおひるねしてる人、ねにくそうやなあ」
「なんで? 原っぱで風もふいてて気持ちよさそうやん」
「草とかあたってこちょばいとおもうわ」
「あー、そうか。そうかもなぁ」
ぼくはまた本に視線をもどす。気になる部分があったら付箋を貼ったりする。
ふと時計をみる。
まもなく22時というところ。
「そろそろ、お風呂……」
「…………とうちゃん、おねがい。まだ絵本よんどいて」
すごく悲しそうな顔で訴える娘。
「見てみ」とぼくは読んでいる本を娘に見せる。「字だけやから絵本ちゃうで」
「いや……」と娘は絶句した後、口をへの字に曲げ目を瞑り顔をそむけながら、吐き捨てるように「……よんどいて!」と言った。
「じゃあ、あとそのページぬったら、お風呂にしよな」
「うん」
ぼくはまた本を読んだり、ときどき娘にしょーもないこと言って雑にあしらわれながら、もうしばしこのスローな時間を過ごした。
みんな自由な夜だった。
読んでいただきありがとうございます!!サポートいただければ、爆発するモチベーションで打鍵する指がソニックブームを生み出しますし、娘のおもちゃと笑顔が増えてしあわせに過ごすことができます。