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2023年5月26日

愛情をもって育てたものを食べる。
その言葉から安易に想像した感情と本著に描かれている感情にはズレがあった。
これはこの本を読み知らなければ気付かないままだったろうし、でも読んだだけではその複雑な感情は理解しきれないだろう。
それを知る為の行動力の凄まじさ。
調べて知ることと行動して経験して知ることは全く異なるだろう。
本筋とは異なるが、かつて屠畜業者には差別的な目が向けられていた。
我々が生きる為に、産まれる手助けをし育て食肉へと加工する。
感情を殺して冷酷に作業されているわけでもなく、確かに愛情と誇りを持って担ってくれている。
極端に言えば、「命を頂いている」のを伝えるのにショッキングな映像なんて必要ないのではないだろうか。
普段食べているものが食卓に並ぶまでに、それらに愛情を注いできた人が必ずいることを認識できるだけでも、自然と「いただきます」により気持ちがこもってくるような気がする。
(飼い喰い 三匹の豚とわたし / 内澤旬子)


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