やめるときも、すこやかなるときも
文庫読了しました。
登場人物たちは傷ついていたり、困難な環境にあるのに、なぜか窪美澄さんの紡ぐ物語は優しくて温かい。
ヒロインの友達がとてもいい人なんです。
めずらしく恋愛がうまくいきはじめた30過ぎのヒロインが
同じく独身の女友達ふたりに恋バナをするんですね。
そうすると、ほら、やっぱり嫉妬するじゃないですか、
で、ひとりがヒロインに諭すんです。
「うまくいってる恋愛を女友達に話すときは最大限に気をつかわなきゃ」
「それがルールだからさ」
「ルールというか仁義だから」
怒るでもなく、上から目線で説教するでもなく、
やんわり、さらっと、でも相手がちゃんと理解できるような言葉で、
こちらの気持ちを伝えようとする姿勢。
厳しいことを言ってるけど、愛情が感じられます。
長く付き合っている友達でも、なかなか
こういう本音って言えないですよね。
でも言った方がお互いのためにいい時があって、どんな時、場所、表情で伝えるのか、どんな言葉を選ぶのかが難しいと思います。
そして、友達の言葉を素直に受け止めるヒロインもえらいなあ。
私は他人からの助言をすっと受け入れられなくて、モヤモヤと引きずってしまうことがよくあります。
でも、”は?なんなんだよ。嫉妬しやがって”と
思わない人は、幸せも良い事も素直に受け止められる人なんだろうな。
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