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「味噌」 正しい味噌の選び方、種類や製造方法、健康効果など。


「ホンモノの調味料シリーズ」、今回は味噌です。

味噌は昔から親しまれてきた身近な発酵食品で、日本が世界に誇れる調味料のひとつです。


大豆、麹、塩という、いたってシンプルな材料のみで造られるものにもかかわらず、地域性が高く日本各地で1,000を超える種類の味噌が造られており、製品が無数に存在するためJAS規格が作れないほどです。


味噌の種類


日本各地に土地ごとに多種多様の味噌がありますが、主に原料による分類、味による分類、色による分類がされています。

原料による分類

原料の「麹」の種類によって「米味噌」・「麦味噌」・「豆味噌」の3つに分けられます。さらに2種類以上の味噌や複数の麹を混ぜた「調合味噌」もあります。


●米味噌

大豆に米麹と塩を混ぜて造ったもの。国内生産の80%を占める味噌です。主に中国地方から北海道までの広い地域で造られています。麹や塩の配分、熟成期間などの違いによって味や色に変化がもたらされ、甘い味噌や塩辛い味噌など、多種多様な味噌ができます。


●麦味噌

大豆に麦麹と塩を混ぜて造ったもの。主に九州、中国四国、関東北部で造られています。農家が自宅で食べるために造ったものが多く、いわゆる「田舎味噌」と呼ばれるもの。麦はでんぷんが多いため甘めで、豊かな香りが特徴の味噌です。


●豆味噌

大豆のみを主原料に造られます。蒸した大豆を潰して味噌玉にし、そこに種麹を付着させた豆麹をつくり、塩を加えて熟成させたものが豆味噌です。愛知・岐阜・三重などを中心に製造されており、約1~3年かけて熟成させます。タンパク質が多いため色が濃く、旨味の深い独特の風味の味噌になります。

八丁味噌、名古屋味噌など。


●調合味噌

2種類以上の味噌を混ぜ合わせた味噌で、「合わせ味噌」ともいう。主に米と麦を合わせたものが多く、製造の過程で米麹と麦麹を使います。中には、出来上がった米味噌と麦味噌を混ぜ合わせてあるものもあります。

味による分類

味噌は「甘口」「辛口」など、味によって分類することができます。塩の量による辛さ加減と、用いられる麹による「麴歩合」が味の決め手になります。麹歩合とは、原料の大豆に対する麹の割合のことです。塩分量が同じなら、麹歩合が高いほど甘口になります。これは、麹の量が多いほどでんぷんを糖分に変える量が多くなるため。

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