どんなものを。

ここで具体的にどんな香水を作っていきたいかということを明確にしておきます。まずは抽象的な私のイメージから少しお話を、、

それは例えば、清々しいほどの真っ赤な夕焼けの中に香る田んぼの匂いだったり、我を忘れるほどのキラキラした波の潮の匂いであったり、しとしと優しく心を包む雨の匂いであったり、母が日曜のお昼に焼いてくれたアップルパイの匂いであったり、祖父の家のどこか古めかしくて暖かい畳の匂いであったり、上品で少し近寄りがたいような東京の匂いであったり、何もかも全部を包み込んでくれるあの人の腕の中の匂いであったり。


私にとって香りというのは、自然であり、思い出だ。そして沢山の勇気をくれる存在だ。 


香りが、美しいボトルに閉じ込められている。それが香水と呼ばれる。  あの美しい外見からプシュッと放たれる水滴に身を潜らせる瞬間に、女性は本物の女性になる。あの瞬間の女性のなんとも言えない表情を見たら片思いの彼だって絶対振り向くに決まっている。それくらいあの表情は美しい。とまあこんなことはさておき、、                    抽象的な概念はここまでにして、実際にどんな香りを作っていきたいかというのをもっと具現化していきましょう。     

出会った人が確実にいい匂いと感じる香水を作りたい。すれ違った人をハッとさせられる匂いを作りたい。これが私の前提にあります。その上でこの香水をつける方も自分を感じられる、そんなものを作りたい。


そして私の中でイメージしているその香りは、柔軟剤のいい香りに近い気がする。ザ・香水のような匂いではなく、少しだけこっくりとしている(これは昔ノーズショップで嗅いだノリの匂いと似ている。)中に透明感が溢れていて(これはなんの匂いと言い切れない複雑さがある。柑橘系ではなく、フローラル系でもない、、研究しなくては)どこか家庭的でわざとらしくなく、全く口説くない、でもまた嗅ぎたいと思わせる何かがある。これが私の作りたい香水の匂いであるのです。

ああ、理想ばかりがどんどん一人歩きしてしまう。頭の中で私の香水はもう出来上がっているのにな。


全く人生は大変だけど、最高にワクワクするものです。



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