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習慣化の極意を教わり、アイデア出し、筋トレ、片付けが毎日続くようになった話


先日、長女の幼稚園の卒園式に行ったとき、理事長先生が祝辞の中でこんなことを園児たちに話しかけました。

「みんな、いろいろな習慣を身につけてきましたが、習慣ってね、”準備” なんだよね。…ああ、難しいお話になっちゃったね。ごめんね。」

この言葉を、僕はこの数か月で自分に起きたことに重ね、1人で「うんうん」と納得していました。


この20年間、僕はその時その時の人生のお題に関するアイデア出しを続けています。大学時代は、サークルでやっていたお笑いのネタや、研究に関するアイデア。会社員時代はおもちゃのアイデア。起業してからは様々なビジネスアイデア。アイデアだけは考えるのをやめたことがありません。

一方、僕の人生の "2大嫌い" は、筋トレと片付け。この2つは、今まで全く続けられたことがありませんでした。

この違いを、「好き」と「嫌い」で片づけることは簡単ですが、「筋トレと片付け、できるようになりたいな~」とふわっと思い続けながら何もできずに、ここまで生きてきました。

そんな中、1月に、YouTuberの「のが」さんと以下の様な対談をさせていただきました。

この対談で、習慣化に関して人生を変えるレベルの大きな気づきを頂くことができました。記事はご興味あれば読んでいただくとして、3つのポイントを以下にまとめると、

1.習慣化の目的は、成果を上げることではなく、「習慣化すること」そのものである。
2.毎日やる量を、5秒とか、極端に少なく設定し、それをいつまでも増やさない。しかし、必ずやる。
3.何度さぼっても、やめずに何度でも再開すれば、それは連続した習慣である。人生の時間軸は広く見る。

ということで、この話を聞いたとき、「ああ、僕は、アイデア出しに関しては自然にそうすることができていたけど、筋トレや片付けは、習慣化ではなく、成果を目標にしてしまっていたんだ」ということにようやく気が付きました。

アイデア発想の世界には、先人たちもよく語っている、以下の一つの大きなジレンマがあります。

成果を出すために良いアイデアを考えようとすると何も思いつかなくなり、ほとんどの人は考えるのをやめてしまう。ダメなアイデアでも良かったら、考え続けることができるが、ダメなアイデアを考えることに意味を見出せないから、どうしても良いアイデアを探してしまい、それが出なくて疲れて考えるのをやめてしまう。

いいアイデアを探してはいけないんです。

「そんなわけあるか!」「お前プロなのにいいアイデアを考えようとしないんかい!」みたいに突っ込まれるかもしれませんが、ここはプロとして断言します。アイデア出しは、計画的偶発性を高める作業です。つまり、偶然いいアイデアが舞い込む準備を計画的に仕込む。

アイデア出しの基本は、考えたいお題を常に頭に置き、いろいろな情報や体験を得て、それらを自分のお題に応用できないか組み合わせて、思いついたことをメモする。

だけど、そのメモからは良いアイデアなんて多分出てこない。

どこまでやっても ”準備” でしかないんです。

だけど、この準備をしているからこそ、ある時にお題と全然関係ない話を聞いて、情報や体験がそっちから勝手にお題に組み合わさってくることが起こる確率が高まります。日常に潜んだヒントへの気づき方が全く変わるんです。その来たるべき時のために、世の中のアイデアパーソンはいつも、遊ぶようにアイデアを考えています。

で、これを ”準備” と捉えると面白くないので、”遊び” にならないとダメなんですよね。結局、「ほとんどのアイデアは意味がない、意味がないけど面白い。くだらないアイデアほど面白い。」ということを分かって、ボツネタノートを作って友人やかわいい後輩とかに自慢したり、SNSでウケるウケないはどうでもよく発信したりしている人が、そのうち人生を変えるアイデアを拾うことができるわけです。この話をすると、腹落ちして実践してくれる人と、「うーん…」と思われて実践まで行かない人の両方があって、「続かない人は仕方ないのかな」と思ってしまっていたところが正直ありました。

さて、
僕はアイデア出しに関してこのことを当たり前のように何年も実践し、本に書き、偉そうに人に伝えてきたのに、筋トレと片付けは、続いたことがなかったわけです。それを僕は長年、「それらはアイデア出しと違って嫌いだから仕方ない」と思い込んできました。でもそれは、アイデア出しを嫌いだと思っている人に、先述したアイデア出しの原理を伝えて、それでも腹落ちしてもらえないことがあるのと全く同じことで、自己矛盾していたのです。

人生の "2大嫌い" である、筋トレと片付けを続けられて、そしてその成果が後に出てこないと、アイデア出しの原理についても、本当に正しくは伝えられないんだなと、ようやく気付くことができました。

現在僕は、まだ数か月ですが、人生で初めて、筋トレと片付けを続けています。

筋トレは、プランクを1日5秒。

片付けも1日5秒で、仕事部屋で1つだけ物をしまう。

たったそれだけです。それ以上を課すことはありません。なんだそりゃ、と思われるかもしれません。 5秒って…。 

酒を飲んで寝てしまうこともあります。仕事に溺れてやり忘れることもあります。でも何度でも次の日、あるいは数日後に再開します。だから、それは確かに、続いている、のです。

プランク5秒で、物足りなく感じる時は、体が自然に別の運動をもっとやっています。片付けも、気分が乗ったらあと2,3か所やってしまいます。でも、目標を増やすことはありません。何かが劇的に変わるまで、当面この小さいことだけを続けていくつもりです。

こうして僕は、生まれて初めて、筋トレと片付けを習慣化することができたのでした。


・続けたいことは、成果を求めてはいけない。「続けることそれ自体」だけを目指す。

・ある日続かずに途切れて、再開しなかったらそこで終了だけど、いつでも何度でも再開すれば、それは連続して続いている。

・意味がないように思ってしまうかもしれないけど、習慣化は「準備」であり、その準備が「遊び」になればさらに良い。

・筋力がいつまでもつかなくたって、部屋が片付かなくたって、そのまま一生が終わってもそれでいい。

・それらは、ただの毎日の遊び。新しい遊びを見つけられたのだから、自分が変わらなくても、それは人生にとって幸運だったのである。


以上の考え方を得たこと。これが多分、人生を変えるんだろうなと、このわずか数か月でほぼ確信しています。だって、これまでの人生で一度も続かなかった、"2大嫌い" の筋トレと片付けが、続いているという事実が起きたから。それが、遊びのように楽しく思えているから。

ちなみに僕は会社に入ってから毎日アイデアを出していて、3年間何もヒット商品を出せず、4年目に「バン!」とヒットが出ました。

独立起業してからも、3年間ヒット商品が出ず、やはり4年目に「バン!」とヒットが出ました。

だから僕はたぶん「4年目」に来るペースの人間で、それは人によって違うだろうけど、僕は筋トレも片付けも、4年目に急に「バン!」と変わるのかなあ、と予想しています。


今、もし不測の余暇ができたり、毎日に閉塞感が出てきたりしている人は、何でもいいから新しいことを、1日5秒、習慣化してみてはいかがでしょうか。変わろうなんて思わないで、何も変わらない遊びだと思いながら。

そしたらたぶん数年後に、変わってしまうのだろうけど。



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