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色眼鏡1111

 昨日は、かつて同じ職場で一緒に仕事をしたことがある先輩と、部門を代表する者同士、打ち合わせをすることがありました。

 この先輩と一緒だったのは今から15年以上前で、まだまだ僕も若いころで、非常に怖い人として恐れられていました。言うことは正論もあるにせよ、少しごり押しなところもあり、人望を得ていたとは言い難く、
その後、マネージメントをする立場になると、元いた立ち位置のセンターラインから徐々に外周部に押し出され、どちらかといえば敬して遠ざける人の歩むようなポストを、渡り歩いていました。

 たしか、この一年で社内にいるのが最後で、あとは外に出て第二の人生を歩むことになるのではないかと思います。

 このところ、近くで仕事をした経験が久しくなかったこともあり、僕は昔の印象で色眼鏡をかけてこの先輩のことを見ており、会って話をするまでは、こちらに責任を押し付けて、対応をごり押ししてくるような展開を予想し、あまり生産的な話にはならないだろうと、高をくくっていました。

 実際に会ってお話を伺うと、その先輩の問題意識と解決の方向性は的確であり、今後対応が不可避ながら、一筋縄にはいかない困難な課題について、お互いの部門で人を出しあって協力関係を築き、何とか解決の道筋をつけたいという、前向きなやりとりとなりました。

 一点、先方が広げた風呂敷が大きすぎるため、すべてを一気にやるのは現実的でなく、まずはミニマムの課題解決を部門間で共有したうえで、そこを最低ラインにして、将来のロードマップも描きつつ、連携して社内での合意形成を進めていくことで、まずは意見が一致しました。

 今回の事案で接点がなければ、おそらくこの先輩が会社を去るまで、同じ色眼鏡のフィルターを通して見続けていたに違いなく、積極的に接点も持つ必要性も感じていなかったので、そのまま二度と会うことなく、その人の色眼鏡は使われずに野ざらしされ、朽ちていったものと思います。

 この人に限らず、僕自身の過去の経験により作られた色眼鏡を、いろんな人に対して持っており、多くはアップデートの機会なく、そのまま使いまわしています。

 また、僕自身の固定観念は年齢と共に強固になっており、脳内辞書の書き換えのようなことは、自分のこれまでの行動との整合が取れなくなるので、積極的やりたくないわけですが、
今後、僕がさらに可能性を広げていくうえでは、自分縛りのルールとか、色眼鏡といった、固定観念を形成する持ち物は、できれば棚卸しをして、現状に即して、品ぞろえを変えていく勇気を持つべきと感じました。

 今回は、色眼鏡により自分が楽をしようとしていたことに気づかされる、貴重なご縁となりました。
 
 


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