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レールを外れるのは大変

 昨日は、連日の疲れが蓄積していたのか、終日、心身共に疲れた状態にあり、特に午前中はほとんど頭が働かず、記事を書くので精一杯でした。 

 3月を迎えると、組織人としては一年間を振り返り、一つ階段を上ることになります。

 社会人として、人間関係にもまれながら仕事をしていくには、事務処理能力とか理解力、判断力、柔軟性といった、ある種、矛盾を抱え、モヤモヤを残ししながらも、それを飲み込む力を求められる、これはどこの組織でも共通する部分ではないかと思います。
 ただ、個別の組織において独自の組織文化とか仕事の進め方のようなものがあり、こうした郷の中の約束事も覚えないと、日々の仕事をするうえでも支障をきたし、結果、自分の時間もより多く費消させられてしまいます。

 特に、役職が上になると、自分のスキルを磨き、提供するだけででは成果を得ることは難しく、ファシリテートの能力や人的ネットワークによる「キーパーソン同士の貸し借り」を駆使して「ものを動かす」ことが求められるため、こうした成果を効率よく出していくためにも、現在の立ち位置への最適化が図られることになります。

 ただ、今後の流動化リスクを考えると、現在の立ち位置の最適化をこれ以上、追求することは、レールを外れたときに動きが取れなくなるため、レールに適合した車輪以外に駆動できるツールを、持っておく必要がある、こうした思いは、ここ7、8年は、考え続け、悩んでいるところです。

 とはいえ、レール以外を走ったことがほとんどないため、どうしても他のレールを探すことに目が行きがちになります。でも、そこはすでにヒエラルキーが確立しており、仮に今からレールを乗り換えたとしても、ヒエラルキーの中位以下に位置付けられ、自分が外部に持ち出せるスキルだけが評価されるため、結構キツイ展開になります。
 組織にいてそれなりに適合し、ネットワークのコアにいることで、きつい反面、コアにあることでの上乗せ対価のようなものはあり、その部分がはがれると、組織間での人事交流の御約束でもない限り、当然対価としての報酬も下がってしまいます。

 結果的に、一年、また一年と、外に出ようという思いだけは持ちつつも、レールを外れる勇気が持てず、背負うものが増えてくると、外れたときの経済的、精神的な不透明感に対する不安の壁も大きく、まあまあ、今のところで何とか、という、自分のカギを鍵穴に合わせるような行動に帰してきて、今に至っています。

 ただ、繰り返し自分を躾けることで、現状をゼロクリアして別なレールを求めるーこれは組織であったり、使えるといわれる資格であったり、その他、経済的に頼れる何らかの縁といったものですがーことは、これまで築き上げてきた資源を生かせないため、過去を否定する行為に等しく、そこに資源を投入しても、数多の先人に劣後することは明らかであり、
知力、体力、精神力が、下り坂方向にある現状を考えると、
いま、自分の持てるスキル、ネットワーク、ファシリテート能力といったところを、きちんを棚卸しして、自分だけの物語を描く「絵具」にして、少しずつ水に溶かしながら、描いていくしかないのだと思います。

 物語を書いて打って出て、他者に評価される中で、自分にもわからない価値を見出し、ある程度の対価を得られる目算を得て、レールから外れてみる。現状適合も過ぎると、人生の可能性をつぶしていることにさえ気が付かなくなるわけで、おそらく、いまの僕は、そうした、環境に取り込まれた状態にあるのでしょう。

 こうした思いは昨年のはじめにもあって、一度、外部の評価を得る武者修行をしたのですが、現状の引力が強すぎて、そのうち最適化に必死になる展開になり、取り込まれてしまって、今のレールをいよいよ盤石なルートとして歩まざるを得ない、そうした状況に陥ってしまったように思います。

 一見、組織のルートに乗ったがごとき様相で、他者はますます僕の組織人としての将来を嘱望することになり、この先安泰、これは会社内だけではなく、家族や知人も似たような印象を抱いているようです。

 この危うさに気付いているのが、僕しかいないので、周囲の理解を得るのが難しいというつらさもあるのですが、今一度、武者修行するために勇気を奮いおこし、一年後にはレールを外れても途方に暮れるということがないような自分でありたい、その点、一年後の自分に約束したいと思います。
 

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