『ももいろクローバーZ 〜アイドルの向こう側〜〈特別上映版〉』@新宿バルト9
TBS取材陣によるももいろクローバーZのドキュメンタリー。ももクロのドキュメンタリーといえば本広克行監督らによって編集された「はじめてのももクロ(はじクロ)」*1があまりにも有名で、ファンの間でも入門書代わりのように使われてきたが、「はじクロ」は苦難のももクロ黎明期からその成功までを描いたいわば「歴史の書」。しかも最後が「幕が上がる」への挑戦で終わっているから、6人、5人時代を描いた歴史資料。卒業した有安杏果の映像なども頻出するため、運営が公式な形でこれを使用することはない。ももクロの「今と未来」を伝える新たなドキュメンタリーが望まれていたが、「ももいろクローバーZ 〜アイドルの向こう側〜」はそうしたニーズにこたえるものともなっている。
アイドルのドキュメンタリーといえば前田敦子がライブ中に過呼吸で倒れる衝撃のシーンが映し出されたAKB48のものが有名。欅坂46のドキュメンタリー『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』も舞台裏の映像を中心にアイドル現場の過酷さを伝えるような内容だった。ももクロにおいても「はじめてのももクロ」はまさにドキュメンタリーらしい映像もふんだんに使ったものであったが、今回のドキュメンタリーは実際のライブやライブの舞台裏としての稽古風景なども盛り込まれてはいるが、全体量のかなりの部分が一転してももクロ本人に対するインタビューで構成されているのが特徴。「ももクロChan」などの舞台裏密着取材などの影響で楽屋などの舞台裏の取材に慣れていて、
そこでは日常の姿は見られても、個々の本音の部分はあまり表面化してこないのを司会者を入れずももクロメンバーだけによる座談会的な収録とメンバーに対する個別インタビューでそれぞれの本音に立体的に迫っていこうと試みた。
特にももクロの将来像など未来についての質問では女性アイドルにとっての永遠の課題といえる結婚を巡る質問なども登場する。実はももクロの場合はいろんな場で結婚してもメンバーに子供が産まれてもももクロを継続していきたいというような発言は再三にわたって、繰り返しはされていて、グループ的なタブーではないのだけれど、個別のインタビューなどを聞いているとメンバーごとに微妙に表現が違ったりするのが興味深い。
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