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カリフリ農場より 3.作付けの嵐

 トマムも暑さが本格的になり、「夏が来たな」って感じだ。当農場では作付けに追われている。
 3月からビニールハウスなどの室内で野菜の苗作り始まる。5月に入ると雪に覆われていた畑がようやく乾きだし、やっとトラクターが畑に入ることができる。畑づくり、野菜作付けの始まりだ。

玉ねぎの定植

 ゴールデンウィークが明けたころに玉ねぎの定植が最初に始まる。ハウスで苗作りをして、葉が20センチ位に成長したら畑に定植する。苗は何千本とある。それをすべて人の手で定植するのだ。玉ねぎの次にじゃがいもの植え付けがやってくる。トラクターでかまぼこ型の高畝を作る。一畝70メートル弱を今年は18畝作った。これも全部手植えでやる。朝から弁当を持って畑に行き家族4人総出で植え付けした。なんとか1日でじゃがいも植え付け完了。
 ジャガイモが終わったらニンジンやごぼうの播種をする。これらは6月下旬にかけて時期をずらし4、5回に分けて播種して行く。

 今年はビニールハウスの建設をした。トマトキュウリナスピーマンなどの果菜類を栽培するためのビニールハウスだ。すでに40メートルほどのビニールハウスが3棟あるが、連作などを避けるため思い切って新たに1棟を建てることにした。建てるといっても自分たちで建てるわけだがこれがまた大変な作業である。ただでさえ忙しい時期だし、6月に入ったらハウス野菜も定植しなければならない。時間がないからさっさと作ってしまう。父と2人で幅7㍍、長さ50㍍のハウスを4日ほどで建設完了した。

 5月25日カッコウが鳴いた。これは豆の播種を始める合図である。これは昔からの言い伝えだ。インゲンマメや枝豆を播種していく。

 6月に入るとハウス内の果菜類やレタス類スイートコーン、ズッキーニ、枝豆などその他にも沢山、定植、するものがある。今年は5月に雨が多かった分6月は雨が振ることが少なかった。干ばつ気味である。レタス類なんかは日がカンカン照りのときに定植すると、焼け死んでしまう。だから夕方涼しくなる時間帯や曇っている日の方が良い。定植した後にひと雨くるのが1番いいのだが、なかなか降ってくれなかった。1回定植後あまりに畑が乾燥していたので畑にホースを延ばし水やりをした。

ハウス内作業

 6月中旬頃には、そばを播種した。そばは乾燥に強いもんで、4~5日もすれば綺麗にすべて芽が生えそろった。ここ数年強風で倒されることが多く、収量が全くゼロなので、せめて今年は自家用だけでもできれば良いなと思う。
 
 その後カボチャを定植し、7月に入れば越冬キャベツや白菜の定植もする。
 そして畑が出来上がってきたら今度は管理作業に追われるのだ。ひたすら除草と草刈りである。雑草の成長は早い。取っても取っても次から次へと生えてくる。畑のヘリとか畝間は仮払い機で根本からかればよいが、細かいところはすべて手作業である。特にニンジンは発芽した後に雑草に覆われてしまうと、あっという間に負けて死んでしまう。だからある程度大きくなるまでは除草する。雑草に覆われたニンジン畑を見ると気が遠くなるが地道にやっていくしかない。

 7月末には新じゃがが出始め8月に入れば夏野菜の収穫のピークに入る。収穫で追われる日々がやってくるのだ。
今年は天候に左右され病気なども多かったがみんな順調に育ってくれればと思う。収穫の秋が楽しみである
(えとう・かずま=1999年生まれ。北海道勇払郡占冠村字上トマム カリフリ農場 tel&fax:0167-57-3315)

『市民活動のひろば』192号(2021.7.15)

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