見出し画像

ハカマダ事件をご存知ですか??

ハカマダ事件。たびたびTVで紹介されているので耳にしたことがある人もいるかもしれません。私自身も聞いたことはあったのですが、説明できるほどには理解はしていませんでした。事件が殺人事件であること、容疑をかけられてしまった袴田さんの苗字が読み方もわからないほど世の中を知らなかったので「戦後の混乱期の不吉な事件!」というイメージだけで、あまり積極的に知ろうと思わなかったのかもしれません。

今回、ちょっとした縁で漫画家の森重水(もりしげみ)さんと知り合うことができ、その方のマンガを読んで、初めてちゃんと知ることができ多くの人に知ってほしいと思ったのでこの記事を書きました。

カンタンに説明すると1966年(そもそも戦後の混乱期ではありませんでした。むしろ高経済成長期の真只中!)に静岡県で起きた一家4人を殺害して放火するという残酷な事件の犯人に袴田巌(はかまだいわお)さんが、ほぼ被害者が専務を務めるみそ製造会社の「社員」で「元ボクサー」であるという理由だけで犯人に仕立て上げられてしまったという事件です。

そして「死刑」判決を受けてから現在に至るまで本人は一貫して無実を訴え、確かな証拠もないまま係争中で「世界で最も長く収監されている死刑囚」としてギネス記録にも認定(2011年)されるほどの異常な状態が継続しています。

そして逮捕された原因が「元ボクサー」という偏見であることから日本ボクシング協会が全面的に袴田さんを応援し、日本の多くのボクシング関係者が袴田さんの釈放を求めて行動しているのです。その中には多くの世界チャンピオン・元世界チャンピオンが含まれています。

近年、過去の(現在も?)日本の警察の尋問の仕方や容疑者の勾留の仕方は、とても先進国とは思えない恣意的な運用が横行しているということがクローズアップされています。日本には「何十年にも及ぶ裁判」がいくつもあります。そういった事例の多くは逮捕から勾留、尋問の過程で恣意的な「自白の強要」や「証拠の捏造」があったとしか思えない事例が複数あり、警察や検察が自分たちの否を認めず主張を変えて再審を繰り返し、その結果、裁判が何十年にも及んでしまうという恐ろしい事例がいくつもあるのです。「裁判員制度の導入」や、「尋問時の映像記録」をきちんと残そうという動きが出てきているのにはそのような背景があります。

興味を感じていただければぜひ森さんのマンガを読んでほしいと思います。
マンガはちょっと…という方はYouTubeで音声付きのwebマンガもありますので、ぜひこちらを観て「知って」欲しいです。

私はマンガを読んで、いかに昔の警察や検察が雑な捜査をして、その過ちを認めたくないという理不尽な理由だけで一人の人間の人生が刑務所の中に閉じ込められてしまうという恐ろしさを感じました。

袴田さんは現在、88歳(昭和11年生)です。警察や検察はおそらく袴田さんが亡くなるのを待っているのかもしれません。残された時間はわずかです。ですから袴田さんが生きている間にできるだけ多くの人にこの事件について知ってもらい、正しく公正な裁判結果を袴田さん本人に聞いてほしいと思っています。

※森さんのマンガのリンク先を貼っておきます
マンガ「スプリット・デシジョン」(森重水)

音声付きwebマンガ(YouTube)版「スプリット・デシジョン」

森さんの他の作品へのアクセスもわかるInstagram


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?