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『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』他 感想

2010年上映(日本)
監督/高松信司 脚本/錦織敦史 原作/空知英秋  副
声の出演/杉田智和、阪口大助、釘宮理恵、石田彰、千葉進歩、中井和哉、鈴村健一、子安武人、高橋美佳子

※ネタバレあり


 ある日、空からやってきた天人(あまんと)により、江戸の町は支配され、廃刀令により侍は姿を消した世の中。
 伝説の侍・坂田銀時、父の残した剣術道場を守りたい志村新八、宇宙最強の傭兵民族・夜兎族である神楽。万屋として生活する三人はさまざまな事件に巻き込まれながらも強くたくましく生活している。


 今更ながら銀魂を観てプチハマっている。それまでアニメを観たことはなかったし、漫画ははるか昔に一巻を読んだきり、内容はほぼ忘れている状態。

 事の始まりはGW――。
 母が襲来し劇場版銀魂を2本連続で流し始めた!
 銀魂といえば断片的に入ってくる情報から95%がギャグ、さらにそのうち8割が下ネタとパロディ、稀に真面目な話があるという、形態的には「大人の観るクレヨンしんちゃん」という偏った認識でいた。

 マッマ×銀魂(劇場版2本掛け)……何なんだ、私の部屋で何が起こっているんだ!?

 紅桜視聴後。思てたんと違う。パロディ下ネタほぼなし。こんな真面目な方向で面白い映画なんだね。むしろ殺った男の髪の毛にスリスリするおじさんとか裏声で笑う病み男子とか出てきて、見聞したのとは違う方向の変態性だったんだがワイが最初に邂逅する銀魂はこれでよかったのか?
 と思ったが実写映画も同じエピソードだってね! じゃあこれでよいってことだね!!
 でも本当にギャグ要素は抑えめで戦闘シーンとかやたら格好良かった。音楽合ってた。やっぱベタベタで暑苦しい王道はそんだけ魅力があるってことだね。

 先述では茶化したけど、髪の毛すりすり岡田さんの「桂ってのは本当に男か? ~」のくだりは、人斬りの不気味さ・仲間への侮辱行為に切れる主人公、って感じでシリアスな演出として素敵だった

 という気持ちのまま2作目が始まる。そう、この感じ! 自分の先入観の銀魂に近いギャグ配分。こちらも笑えてシリアスもあって面白かった。あとマスクとかウイルスとか、コロナ後に作られたの? って錯覚するくらい今の時世にかぶって、それも興味深かった。

 そして漫画の一巻を持っていたのを思い出し、読み返し(むちゃくちゃ昔に一回読んだけどほぼ忘れてた)。またとりあえずアニメの最初の方だけ観てみたり。
 これはギャグマンガというより人情物のコメディなんだなと印象を改める。
 ギャグの割合や劇場版の雰囲気など、大人の「クレしん」よりは「ポケモン」のほうが形態として近いかも。(初期のポケモン(今もなの?)はシニカルで危ういギャグやパロディがたびたびあった)

 しかし! 銀魂のひどいシーンやネタを調べると、文字通り「これはひどい」。何なんだ、このおそ松さんとポプテピピックを掛け合わせたような危ういネタたちは……! 
 なぜこれがゴールデンタイムに許されたんだ!? 自分がアウト出すってそーとーだよ!?
(の割にはノーパンしゃぶしゃぶ→ハイレグしゃぶしゃぶといった謎の配慮もちらほら)
 しかし銀魂の面白さは少年誌で/ゴールデンタイムでやるところに肝があると感じる。

 何か……いろいろと考えさせられる作品だった。

 ただ、言えることがある。下ネタやパロディはたしかに多い。が、単にそれだけではない。ギャグ自体がハイセンスだから面白いのだ。特に下ネタはある種のタブーであり「気まずさ」も産む諸刃の刃。だがきっちり笑わせてくれるとタブーだからこその面白さが発揮できる。笑わせてくれる銀魂は尊い作品なのだ。


「新訳紅桜篇」
 戦闘シーンの作画がすごい。ラストあたりは音楽ともピッタリ合っていて格好良かった。
ラストバトル~終わりまでの流れがめちゃくちゃいい。高杉さん病んでるけど銀さんのおかげで爽やかに終わってくれた。
 飛行船で逃げていく感じもベタだけどそのベタさがよかった。
 劇場版のテーマ曲好きになった(バクチ・ダンサー)。

 テレビアニメやマンガも少し観てだいたいキャラクターとか把握した(その前からある程度知ってたけど、きちんと把握した)。人気作だけあってさすが、みんないいキャラしてる。
 うえで好きなキャラ? 
 
 ボクは、ボクは、桂小太郎さん!
 二枚目半の女みたいな優男で反政府派(穏健の)でしょ。そりゃ好きになるでしょ。
 私は昔から男前の格好いい女キャラ(幽白の静流さんとか)や女性っぽい柔らかさのある男キャラ(幽白のカラスとか。ファシズムのゼロもそう)が好きなんや。

 桂さんは長髪で雰囲気も女性的だが、顔や声は男っぽいところもいい。全部女っぽかったら、それは女キャラでいいじゃん、ってなるから。


 高杉さんのいつまでも心は幼子のまま病んじゃってる感じもいいですね。声優さんの演技がイっちゃってて銀魂の中でも異質なヤバさを放ってる。
 色っぽいもののたとえとして「目病み女に風邪引き男」って言葉があるけど、その両方を兼ね備えたような雰囲気のキャラ。

 岡田さんは、高杉さんにたいして健気すぎて胸がギュッとなる。高杉さんに「バカなやつ(ら)だろ、だが嫌いじゃねえ」と言ってもらえててよかったな。あと喋り方が好き。


 うちは母親が幕末好きで子供の頃に「お~い竜馬」を読まされるなど英才教育を受けていた影響で、幕末ネタなのも面白かった。(今思うとお~い竜馬もなかなかエログロと脚色のヒドイ話だった。何、まじめな教育読本みたいな顔してはるの。とりあえず山之内容堂さんに謝ろうか。いや面白かったけどね!)

 余談だが、お小遣いをコピックペンにつぎ込んじゃう子だったから、自分で漫画を買ったことがなかった(唯一、小学○年生だけ読んでた)。友だちの家で少女漫画読むこととか、中学くらいになると借りて観ることもあったけど、家にあったのは母の趣味で集められた作品ばかり。「幽遊白書」「お~い竜馬」「六三四の剣」……そりゃこんな偏ったもの読んでいたらヤバい趣味の大人が育つわ! 多分、一番最初好きになった漫画キャラって死々若丸だったと思う。歪んでんなア……。

 アニメはたくさん観たけど、当時はやってたのはそれこそ「幽白」「エヴァ」など、社会全体が歪んでいたよね世紀末!! 幼児向けのも、「ジャンケンマン」とか言うのをビデオを借りてきて見せられていたが、これの悪役がまたヤバいんだ。お母さんとお父さんに甘やかされ、コンピュータを与えられそれを使って悪さをする優しい虐待の被害者。何なのそのグリッドマンの藤堂くん。
 だんだん銀魂関係なくなってきたから話を戻そう。


 ちなみに母は実写映画を観て面白かったからアニメ映画も観ようと思ったらしい。
 そんなこと言われると実写も観たくなっちゃうじゃないかよ!!


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