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コロナ時代の就職の『第三の道』

 就活に落ち続け、ボロボロになって、赤字のブラック企業で、自殺寸前までストレスを溜め込んで働くくらいなら、第三の道もある。例えば、釣りが趣味で、趣味を超えて、もはや学問の域であるという学生があるとしよう。彼の生活は釣りに始まり、釣りに終わる。家には釣用具がずらりと並び、書棚には釣関係の書籍ばかり置いてある。生活は全て釣りが中心に回っていて、時間さえあれば釣りをしている。それならば、例えば、実家に帰って、週四日、一日六時間は近隣の釣具屋さんか釣り場、釣り堀でパートをする。「釣りライター」と名乗ってウェブで記事を発信する。そして、毎日、釣りをして売ったり食べたりする。どうだろうか。

 私も同じようなことをしている。NPO法人で精神疾病者への支援員をしながら、法務翻訳の資格の勉強をしている。副業でライターをして、「新しい社会経済」、グローバル、ローカル、新しい働き方、部活問題、福祉的な教育、芸術をカバーしている。今は福祉について重点的に書いている。オンラインで家庭教師をしながら不登校講師を目指している。日本語教師のボランティアで同年代の男女と親密な関係を築ける機会を得ている。ボランティアで戦争体験の聞き書きをして、我が田舎町唯一のスーパーのおじいさんがシベリア抑留者で、戦後を潜り抜けて町唯一のスーパーを築くまでを追った。小説、エッセイ、短歌、詩はお金にはならないが、いろいろな雑誌に載ったり、入選したりして人生の喜びとしている。電子書籍で版権の切れたネイチャーライティングの訳書を出したり、メモを取り続けている本を執筆したりもしたいと計画中だ。コロナが終わったら、Mac片手に海外を旅しながら仕事しようと思っている。

 そのなかで、私が言える範囲になってしまうが留意点がある。まず一つ目は、当たり前のようだが、最も大切なこと。その分野にかける『熱量』がハンパじゃないこと。ちょっとやってみようか、程度ならやめておいたほうがいい。現時点での「実力」ではない、『熱量』。私は土日は常に本を読んでいるし、元旦もお盆も勉強している。勉強というより本が好きなのだ。今まで1800冊読んできた(世の中には3万冊読んだ人がいるらしいから比較にならない)。そして、それを裏付けるだけのすでに起こした行動(実績)があること。そして、「だらだら」するタイプはフリーランス は絶対にできない、やめておいたほうがいい。私は昔、かなり真剣な球児だったのでそれが生きている。フリーランス は一匹狼気質、独立自尊で、『自律』したいからフリーランス をしているのだ、というタイプに向いている。次に、どんな分野でも『SDGs』との関係性を持つこと。釣りならば、魚を釣り尽さない持続可能な釣り方(よく知らないが、、、)があるはずだ。第三に、できれば有資格者になること。どこの誰ともわからない若者がいきなり文章を書いても誰も信用しない。自分の知識を体系付けるためにも、資格を取ることをお勧めする。

 コロナの中で就活をする学生がとても心配だ。多くの人は絶望と不安と閉塞感を抱え込んでいるだろう。そんなとき『第三の道』があることを少し頭の片隅に置いておいて欲しい。『第三の道』が唯一の正解ではない、ただ、そういう道がある、『社会の抜け道』があるということを少し頭の傍においておくだけでも、就活の苦しみが少し和らぐかもしれない。「勝ち組」「負け組」という構造を、収入で測るのではなく、『自分らしさ』『社会貢献度』『安心感』『充足感』『素の自分でいられること』で図ることによって、構造そのものをするりとすり抜けてみて欲しい。

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