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AASAM訓練隊、陸上自衛隊の射撃のプロが集まる訓練を見学してきた / 駐屯地モニター活動の記録

■はじめまして

はじめまして
富士駐屯地(富士学校)の駐屯地モニターをしているてってけ氏です. (https://twitter.com/sima__tetteke)

2022年3月28日に、最後の富士駐屯地での駐屯地モニター活動を実施しました。
民間向けに初公開となる19式装輪自走155mmりゅう弾砲の射撃訓練、全国から選抜されたAASAM訓練隊の射撃訓練、戦闘糧食についてなど盛りだくさんの内容で、記事を分けて書いていきたいと思います。

今回は、「AASAM(アーサム)訓練隊」と呼ばれるオーストラリア陸軍主催の豪州における射撃競技会(Australian Army Skill at Arms Meet)への参加を目指す訓練隊の訓練について書きます。

■全国から高度な射撃技術を持つ陸自隊員を選抜

富士駐屯地では、前述したAASAMと呼ばれるオーストラリア陸軍主催の射撃競技会に出場するため、全国から高度な射撃技術を持つ数十人が集められます。

そして、富士駐屯地内で約5ヶ月にも及ぶ訓練が実施され、その過程で数十人の中から競技に参加できる十数人が選ばれるという仕組みです。

競技の性質上、どんな射撃課題が課せられるかは競技が始まってから知らされるため、射撃技術だけでなく高い判断力も必要になるそうです。

個人毎に腕につけられたパッチからも全国から選抜された隊員であることがわかる

ちなみに富士駐屯地内でのAASAM訓練隊の選抜隊員の特徴はベージュ色の帽子を被っておられる点で、以前駐屯地に伺った時に目にしました。全国から自ら手を挙げて、選抜課程を経て訓練に望む自衛官の姿は非常にモチベーションが高く頼もしく感じました。

■能動的に学ぶ訓練風景が印象的

自衛隊の訓練といえば、厳しい教官が居て型にハマった訓練が実施されると思われる方も多いはずです。かくいう、自分もその1人でした。

しかし、AASAM訓練隊の訓練は一般的な自衛隊の訓練とは違い、能動的な学びを重視して実施されているとのことでした。これは訓練が実施されている射場に入った時の和気藹々とした雰囲気でミーティングをしていたり、隊員同士がお互いを教えたりする光景から明らかでした。

真剣さながらのミーティング風景だが、時折笑顔も見え和気藹々とした雰囲気だった

射撃訓練中は真剣そのもので、手の空いた隊員は後の振り返りの材料とするためにスマホで動画撮影を実施しているのも印象的でした。他人の訓練に対しても当事者意識を持って最大限にサポートするのは本当に素晴らしい姿だと思いましたし、この方が技量の向上も早いのではなかろうかと思いました。

スマホで動画を撮影して活用する姿

近年の様々な教育でも能動的な学びが重視される傾向にあるので、自衛隊の中でもこのような学びの姿勢が増えていけば良いなと思いました。自衛隊のように隊員同士の結束が必要そうな組織では、能動的に学び合うことで更に結束力を高められそうな気がしました。

AASAM訓練隊員の中で教え合う姿

■少し見たかった新型の20式5.56mm小銃の射撃

AASAM訓練隊が拳銃射撃訓練に使っていた拳銃は最近採用されたドイツ製のものだそうです。更に隊員の背中を見ると20式5.56mm小銃とこちらも最近採用された国産の新型小銃でした。

こちらの射撃は残念ながら見ることはできませんでしたが、いつかは見てみたいものですね。ちなみに拳銃射撃の訓練中も小銃を背負ったままだったので、実戦さながらのシチュエーションなのかなと思いました。

拳銃訓練の最中でも背中に20式小銃を背負っていた

■おわりに

AASAM訓練隊の拳銃射撃訓練という、メディアにもあまり公開されたことのない訓練を見せていただきました。

新型の装備も目白押しで興味を惹きましたが、訓練の雰囲気がとても印象的で実際に見ることができて本当に良かったと思いました。

調整していただいた広報の皆様には感謝しかありません!

拳銃射撃訓練の様子、SFP9からの発砲炎を捉えた


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