【レポート】5/17「SIMULATIONおおさか2025+」お披露目体験会
さかのぼること、5年前。
この記事にある「SIMULATION2030ふくおか」を実施したのが、2019年5月18日のことでした。
「いつか大阪市版を作り、自治体財政の課題を知ってもらうために、大阪市の職員の研修や市民との対話に活用したい」という思いからスタートしたプロジェクト、ほぼ1年をかけて完成した「SIMULATIONおおさか2025+」のお披露目体験会を、5/18に「いくのコーライブズパーク(通称:いくのパーク/元御幸森小学校)」で開催しました。
最初、なかなか集まらないんじゃないかという焦りもありましたが、コアメンバーがそれぞれ声掛けをしたりSNSで発信したりして、直前にテーブルを増やすほど大盛況でした!
コアメンバーの8人とは、縁あって時間外にこのプロジェクトを重ねてきました。経過はずっとこのnoteに残っています。RPGでどんどん仲間が増え、共に旅をし、課題を乗り越えてゴールを迎えたという感慨深い日でもありました。
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「SIMULATION2030ふくおか」に出会い、体験会を実施した仲間と「いつか大阪市版を作りたい」という目標をやっと叶えたこと。日ごろの役職や年齢関係なく、局長として自分のミッションを守り、対話でゲームの中の課題をクリアしてほしいという話をしました。
さて、いよいよ「SIMULATIONおおさか2025+」のお披露目です!
直前にテーブルが増えたことによりツール制作を一人で担当してくれていた、があさんの睡眠時間が削られることに……嬉しい悲鳴ですが、申し訳ない。職人気質のがあさんが、AIイラストも活用しながらゲームキットを作成してくれました。
普段は話すことのない、部署が違う職員がテーブルに着き、役職も年齢も問わずフラットに「局長カード」を引き、6つ(テーブルによっては7つ)の局長に任命されます。
局長はそれぞれ自分の部署が成し遂げるべき目標と、今実施している事業があります。事業にはコストと人員が紐づいています。
8つのテーブル(8つの「おおさか市」)で、まちづくりがスタートします。万博の終了年を入れた5年間(2025~2030年)、ふくらむ福祉予算を補填するには既存事業をやめなければなりません。時代の変化に合わせた新規事業カードもあります。今回の予算編成でしか、使うことができません。さあ、どの局のどの事業を切るべきか。
予算ができあがったら、次は「市会ターン」です。全員が局長から一時的に「市議会議員」となり、他のテーブルの予算を審議します。「なぜこの事業を切ったんですか?」「困る市民に対してどう説明しますか?」と、厳しい質問が飛びます。
そして、市会でこの予算を通すかの決議を行い、否決されたらその場で事業を戻したり、市債を発行して新規事業をやったりと、予算の修正をします。ここで、特に若手の職員は「市民の声を背負っている議会の役目」を実感することになります。
過去の体験会などでは、みんな優しくて予算はわりと承認されていましたが、今回は容赦なく否決されるテーブルがいくつもありました。
予算が確定し、局間の人やお金の出入りがあって、次の5年(2031年~2035年)に移ります。社会情勢の変化に応じ、新たな事業カードが出てきます。福祉の予算は、今回も拡充を迫られます。
今から10年後の大阪市をイメージしながら、議会対策も盛り込みつつ事業の取捨選択をしていきます。「やる・やめる」判断には、未来がどうなるかの想像力も必要です。
再び市会ターンをやり予算を確定したら、今度は「SIMULATIONおおさか2025+」の「+(プラス)」と名付けた理由である「2036~2039年」のターンがあります。
ここは完全に大阪市版のオリジナル要素で、2039年に「大阪市政150周年」を迎えることによる記念事業の取捨選択ターンです。
「150周年記念事業」には、今まで事業としてやってきていないと選べないカードもあります。今売った手が、将来どう影響するか考える必要性を学べます。
最後に残った事業を見て、局長同士で話し合って「市のキャッチコピー」をテーブルごとに考えます。高齢者施策の多い市、ゴリゴリDXが進んでいる市、さまざまです。
3ターン目は市会無しで「他都市の視察」コーナーがあります。半分は自分の市の施策説明に残り、半分は8テーブルの残った事業やプロセスを見て回ります。
「え、この事業残したんですね」「議会に言われて……」「DXかなり取り入れてますね」「局長の中に、詳しい人がいたので(笑)」など、和やかに未来の「おおさか市」の姿を語り合っていました。
個人で「局長として目標を達成できたか」の振り返り、同じテーブル内でゲームのプロセスや結果のふりかえり、があさんによるまとめを行って「SIMULATIONおおさか2025+」を体験することで学んだことを、共有しました。
「一人の千歩より、千人の一歩」
福岡市版を作った今村寛さんの言葉を共有し、少しでも大阪市をよくしようという前向きな視点が得られた時間なら、苦労したかいがあります。「久しぶりに頭をめっちゃ使いました」「楽しかったし視野が広がった!」「普段話さない、いろんな所属の人の話を聴くことができた」「やっぱり自分の自治体バージョンだと気持ちが入る」「もっと研修でやってほしい」といった嬉しい感想を、たくさんいただきました。
今後のことは、コアメンバーのふりかえりの会で検討して、また周知します!
最後に、参加者で記念写真。
今回は、まさに自治体財政の問題解決策の一つとも言える「小学校跡地」を会場にしました。プールをリノベーションしたBBQ場で、懇親会を続けて開催。
ゲームの感想も交えながら旧交を温めたり、新たな出会いで盛り上がったり。素晴らしいBBQ日和だったこともあり、「学びも遊びもどっちも楽しむ」姿勢で続けてきたこのプロジェクトの区切りに、ふさわしい夜でした。
オンラインも駆使しながら、多忙なメンバーでこのゲームを作りきれたことに達成感を感じています。
いつか「SIMULATIONおおさか2025+」が大阪市のオフィシャルな研修に導入されることを願いつつ、体験したみなさんから「面白かった」「勉強になった」という声が広がることを期待しています。
勉強会やいろんな機会に関わってくださった多くのみなさんに、心から感謝します。
ありがとうございました!
《ライター:てるみん》