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スウェーデンの森 vol. 2 森をつくる?育てる?!

多くのスウェーデン人は、森が好きです。

実習先の病院ではお茶の時間にスタッフが、どこの森できのこを採ってきたという話しで盛り上がり、そこにいた医師に看護師みんなが、

「森がないと生きていけない」

とまで公言していました。

スウェーデン人は自然を楽しみながら生きるのが上手だなと時々思います。

(よろしければ、スウェーデンの自然の楽しみ方について書いた記事もお読みください。)
北欧「スウェーデン流」子育てスタイル★子どもと一緒に楽しむ自然とリラックス時間の楽しみ方 | Glolea![グローリア]
 
森を楽しむ、ということを10年かけて何とか実感できるようになった私に、今年新たな森との関わりができました。

それは、「育てる」というミッション?!です。
 
今年6月に夫の森にいくと、そこは新緑が美しく、その横の牧草地は自然と生えた花がひざ下くらいの高さで一面に咲いて、まさしく「花畑」でした。

26度前後と暖かく、さわやかな気候です。

さらに、白夜で夜になっても明るくいつまでたってもエネルギーがあるような気さえしてしまいます。
 
ここで、夫が計画していたことは
2,500本のモミの木の苗木を植えることでした。
 
どのように植えるのか。。
穴を2,500も開けるのか。
 
森の土は柔らかいのか硬いのか、、、いろいろな不安が頭の中でいっぱいになります。
地震のほとんどない国なので、地面が岩があるとこも珍しくありません。
 
 

苗木が森の小屋に到着し、ダンボールを開けると、
水分をよく含んだ15cmほどのモミの木がぎっしり入っています。

とても可愛い。
 
さて、どのように植えるのか。。。。
よく晴れた翌日の朝、苗植え機と苗木を持ち夫が森に入りました。
 
 
植樹機は80cmくらいの筒にペダルがついている簡単な構造です。(写真のオレンジ色の筒)
 
まず、尖った筒の先を地面にザクッと刺します。
次に、ペダルを足でふむと筒の先端が広がり、土が横に動かされ穴ができます。

そこに筒の上から、苗木を筒の中へ入れると、苗木は地面に滑り落ちます。
後は、植樹機をどかして、地面の足で踏み固めれば出来上がり。
 
なんと、最長でも15秒で苗が植えられるのです。
しかも、立位で仕事が終わります。
 
 
私の不安は何だったのか、というほどあっけなく、2500本の苗木を二本の植樹機により、3日間で植え終えました。
私と義父は交代で植えたのですが、夫は普段パソコンの前から一歩も動かないインドア派ですが、3日間ガンガン植えていました。

そして、休憩のお茶の時間  
4歳の娘が「何で木を植えるの?」と、おじいちゃんに質問すると
 
まさかの答えが。
 
植樹が、60年後には出荷できて、作業費用を差し引くと、一本4~5000円くらいの価値になり、娘たちのリタイア後の収入になると話始め、
今日植えた2500本が5000円になったらいくらになるか、計算してみなさい、中学生の長女にいいます。
 
「1千2百50万!!!」

目を丸くする娘。
これから、スウェーデンの木の価値は上がって
もっと高い値段になるかもしれないなぁ、とまで言っています。
 
地球温暖化防止とかSDGsな植樹のミッションではなく、
話しは、子どもへの老後資金のための資産運用講座となったのです(苦笑)

基本、現金を信用していないスウェーデンはお金をそのまま貯金することはほとんどなく、投資や固定資産にする人が多いようです。
 
なので、日本人妻を持つスウェーデン人夫たちは、日本人はすぐ貯めようとする、と批判することも(笑)
 
 
森を買った夫に夏休みまで振り回されまいと、あくまでも森は遊びにくるところにしようと思っていたのですが、植樹した木が2か月で少し大きくなったのをみると、

「森育て」にはまってしまいそうな気がしてなりません。

そして、森の中で除伐をしていると、育って欲しい木が愛おしくなり、木を見るのが楽しくなります。
 
今週末、小屋の冬支度をして、つぎの夏まで森仕事は休憩です。
 
来年は、どんなことをしようか暗く長い冬の間にゆっくり考えることにします。
 
 

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