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短歌:メンタルコントロール

他愛ないこととわかってるでも風は気持ちがよくてアンバランスで/銀猫
たあいないこととわかってるでもかぜはきもちがよくてあんばらんすで

 自分がダウン気味のときは、周囲の環境も暗めであってほしいと思うのは、とんでもないエゴなのだと思うのですが、落ち込んでいるときに天気がサイコーでお出掛け日和だったりすると、余計にダウンして底まで落ちてしまいます。

 だいたいそういうときは、他人様を気遣う余裕などまったくありませんから、心の中では何かに対して呪詛の言葉を吐いてメンタルのバランスを取ろうとする自分がいることに気付きます。たいていの場合、その感情を向けるべき本来の相手ではなく、八つ当たりです。エアだから許してもらえると思います。

 感情の振れ幅が狭いのも嫉妬しないのも、決して人間ができている訳ではないってことですね。もう長いこと人間をやっているのに、肝腎なところは成長しないまま生きる日数だけが増えていっています。

 自分で、成長期や思春期に上手に感情をコントロールすることを学ばなかった(ほんとうは「学べなかった」と言いたい)ので、落ち込むことがあると、イイトシしてこういうことを考えてしまうのでしょう。これまでの人生で鬱寸前までは落ちましたが病院沙汰にまで至ったことはなく、その代わり、天井が突き抜けるほどの晴天ピーカンな気持ちにも、たぶんなったことがありません。振れなすぎだろ、それ。

 三つ子の魂百まで、なんて言いますが、実際はもっとずっと長いでしょう。
 保護者の庇護のもと生きなくてはいけない期間が、その後の人生にとって良くも悪くも軸になるんです。つまりは親ガチャ。

 いま落ち込んでいるつもりはないのですが、溜め込んでいた単純作業をひたすら熟していたら、つらつらとこんな思考に囚われてしまった週末です。

 近頃は、短歌はともかく、エッセイの方、あまり気持ちのよいことを書けません。そこのところ、よろしくご理解のほどをお願いいたします。

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