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短歌:小さなやさしさ

バス停に誰かが置いた椅子がくれるほんのひとときやさしい世界/銀猫
ばすていにだれかがおいたいすがくれるほんのひとときやさしいせかい

 近所のバス停に、誰かが置いた椅子が置かれていて、バスを待つご老人が座っているのを見かけることがあります。厳密には道路交通法か何かの法律違反なんだろうなあ、と思いつつも、こういうのって一種の恩送りかな、と思いながら、通り過ぎています。

 だって、最初は自分が座るためだったのかもしれないけれど、誰かもよろこんで座っているなんて、ちょっといい話だと思うのです。

 なおこの短歌は、何を思ったか三月に東京歌壇に投稿したものです。掲載の確認が、無理ではありませんが難しく、ほんとうにあのときは何を考えていたのやら。
 特選だけはネット上で確認できます(もちろん不採用です)。

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