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短歌:漂う気持ち

どちらから言い出したっけふたりして乱反射する海を漂う/銀猫
どちらからいいだしたっけふたりしてらんはんしゃするうみをただよう

 台風がいくつもあるおかげで、わたしはほぼ丸一日を無為に過ごしました。

 前日の夜に気圧変動予定表をネットで確認し、状況に最も合う漢方薬を飲み、夜中の急変動で目が覚めた場合に飲む頓服漢方薬を枕元に置き、実際に中途覚醒時に服用して万全を期したはずだったのですが、今回は自然の威力の勝利でした。

 耳鳴りは馴れもあってまあまあだったのですが、動悸の方はやばかった。ほんと。たぶん、口からエクトプラズマが出たと思います。

 耳鳴りと三半規管の弱さが関係するのかどうか知りませんが、わたしは乗り物酔いしやすい質です。自分が運転するクルマにはさすがに酔いませんが、船、気流が荒いときの飛行機にはかなりの高確率で酔います。なんなら、3D酔いもしますから。つまり、大スクリーンでのゲームや映画もときにはやばいのです。

 「海を漂う」と何気なく書いてはみたものの、想像すると想像だけで酔えます。
 「太平洋の薔薇」というとてもすばらしい海洋小説がありますが、この中の時化の描写で、わたしは陸で完璧に酔いました。
 わたしの脆弱な耳についてはともかく小説はすばらしいので、未読の方には強くおすすめいたします。

 ここの「乱反射する海を漂う」という例え、どのように解釈なさいますか。

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