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鉄瓶に想うこと

貧血と鉄分とわたし


まだ生活音の始まらない
しんと静まり返った朝。

冬の足音が
すぐそこにまできているのを
肌で感じながら
白湯を一口すする。

温かい液体が
喉から食道を伝って
胃の中がボカボカと
満たされる感じが心地いい。

同じ水でも
鉄瓶で沸かしたお湯は格別。
優しくてまろやかで癖のない味。
本当にいいお味。

昔、祖母が貧血気味で
医者から鉄分を
摂るよう言われ
毎日せっせとプルーンを
食べていたのを思い出す。

苦手な味だったのか
顔をしかめながら
いやいやそうに食べていた。

今だったら 
教えてあげたい。
鉄瓶で沸かしたお湯を
飲むといいよと。

きっと遺伝だろう。
わたしも体は強い方ではないし
昔は立ちくらみを
することもあったが
これを飲むようになって
それがなくなった気がする。

貧血と鉄分。
そんなシュールな思い出を
思い返しながら
今日も白湯をすする朝の習慣。


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