見出し画像

「創る」と「届ける」 #ハケンアニメ

『ハケンアニメ! 』原作:辻村深月  監督:吉野耕平


🔆ネタバレありの独り言羅列感想🔆

 アニメも漫画も大好きで日常的に触れているし、
趣味で絵も描く、他の方の二次創作も一次創作も
毎日のように拝んでいる身としては、今回の作品は
公開発表されたときから、ずーっと楽しみだった。

原作が、辻村深月先生なのも絶対に間違いないと
思ってた。

結論から言うと、作中の言葉を借りるなら、
「刺さった」
ひとりでぼろぼろ泣いた。貸切でよかった。

わたしは一端のファンで、業界の人でもなければ
創作をする立場でもないから、何かを生み出す人の
苦悩も重圧も到底理解出来ることではないと思う
けど、常日頃から大尊敬している「アニメ業界」に
ほんの一瞬でも触れられた気がして、震えた。

印象的な言葉がたくさん出てきた。
※うろ覚え?てきな感じだからニュアンス


「描くことは、描くことでしか越えられない。
  机に向かい続けて地道に描くしかない」
 
ここのシーン、めっっちゃくちゃよかった。
創作の苦しみがあまりにも直で表現されていた。
王子監督の、声と表情と眼が、素晴らしかった…



「届けるためならどんなことでもする。
  100届けて、1届いてくれれば良い」

こんなにも本筋とは関係ないPR活動が必要か?と
問いかけた瞳に対しての、行城さんの返答。
うわあああああ…となった。

わたしは、推しのアクスタも買うし特典グッズも
コラボ商品のカードもシールも集めるし、一番くじ
もスタンプラリーもやってきた。
公式にお金を落としたいという気持ちと自分がただ
欲しいっていう気持ちが半々だけど、それが本当に
本当に微力ながら貢献出来ている、と思えてすごく
グッときてしまった。ちゃんと、届いてるよ……


「納得いかないもの世に出すくらいなら…」
のところ、王子監督のここあたりのセリフは思わず
庵野さんが以前仰ってたこと思い出した。
エヴァのアニメ途中で作るのやめて最終回に行った
ときのところのやつ。
リデルライトの最終回、主人公たちが言ったセリフ
痺れた〜!最高だった!!!



太陽くんに語りかけるところの言葉が、ほんとに
すごくすごく好きだった。
「この世界は、繊細さにかける場所だよ、でも…」
わかりみが強すぎる、共感出来すぎる、の嵐…!
この歳の子に、こんな難しい言葉で語りかけて、
伝わるのか…?て思いもよぎったけどこれは観客に
向かって言ってると同時に、これも含めて、
” いつかわかってもらえたらいい ”なんだろうなと。



アイドルの子と、瞳がはじめて打ち解けたシーン!
「日本一の客寄せになってやる」
アニメって、特に映画だとゲスト声優とか特別出演
みたいな形で、アイドルとか俳優さんとか、今を
ときめく人が主役を務めたりすることも多くて、
よく感想でも「主人公の棒読み以外は最高」ていう
やつお決まりでよく見るけど、なんか、ああ…て
なった。あっち側からの視点から語られることって
あんまりないよな、て。そうだよね……


めちゃくちゃ共感できる言葉と、目から鱗な言葉
たくさん出てきてとてもよかった!!!!!

吉岡里帆ちゃん、めちゃくちゃ良かった。
人前で喋れない感じとか、緊張とか、うまい〜!
緊張してる人がマイクで喋る時の息の加減が完璧
すぎて、すご〜!て思った。

そして、尾野真千子さん。
多分作中では、不器用な瞳とは対に、そして仕事を
優秀にこなす行城さんと同列というキャラクター。
できる女感が、最高すぎる…髪の先まで美しい…
最終回プロットで王子さんに語りかけるところ、
あそこ、ほんと、もう、すごすぎて、やばい……

言わずもがな、最高の中村倫也。
この人に何かの業界人を演じさせるの素晴らしいの
周知の事実…騙し絵の牙とか、コントが始まるとか
ありがとう、キャスティング様、ありがとう…

今回のど本命は、柄本佑さん!!!!!!!!
優勝!!!!!!!ほんっとうに…………!!!
セリフと、表情の、温度感が、ほんとに鳥肌。
常に一定の温度。棒読みとか感情こもってないとか
そんなのじゃない。一流にしかできんやつこれ…
ほんと、終始すごくてずっと震えまくってた。

工藤阿須加くん&小野花梨ちゃんコンビが良い味
だしてて、かわいかった

脇を固める俳優陣も、ほんと、演技うますぎる、
この方いるなら間違いない!みたいな方々の集合
オンパレードでもう最高だった…!感謝……!!

あと、梶くんとか山寺さんとか、普通にトップ声優
たちのアフレコシーンみれたの激熱で、テンション
あがった…


前半で、少しつづ且つ確実にフラストレーション
が溜まっていく、そして、
爆発して心の内を叫んで、倒れて、行城さんと、
初めてフラットに話す、底からラストまでどんどん
上がっていってラストまで止まることなく走る。

気持ち良い構図だから、楽しく観れた。
ありとあらゆるシーンで感情移入したり感心したり
したから心は一時も休まるどころか、映画通して、
ずっと息止めてみてて、苦しくなって慌てて息する
の繰り返しだった。鳥肌も止まらん。
アニメ業界って、すごい…憧れるほんとすごい。

ラストに流れるジェニーハイのエンディング曲の
タイトルが「エクレール」でくすっと出来るの良い


2022/05/22

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?