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インドのチベット、レー・ラダックの魅力~高山病、悪路の果てに神秘の湖を見る~

インドで有名な観光地と言えば、デリー/アグラ/ジャイプールのゴールデントライアングル、バラナシ、アジャンタ・エローラ遺跡などなど沢山ありますが、インドに暮らし始めて1~2年経ったころふと思ったのは、割とどこ行っても基本インドなんですよね。
インド好きを公言し、仕事まで始めた身としてあるまじき発言のような気もしますが、まあインド国内どこに行ってもとんでもない人混み、交通渋滞、クラクション、カレー、チャイなわけで、少なくとも当時そう感じて国内旅行熱が一段落しかけた私の耳に入ってきたのがレー・ラダックだったわけです。

インドの北部にかつてあったラダック王国という仏教国がジャンムー・カシミール藩王国に併合され、旧ジャンムー・カシミール州になり、2019年に州の分割に伴い連邦直轄領となった地域がラダックであり、その中心都市がレーです。そのような経歴を持つためそもそもインドとは異なったチベット文化圏に属しているわけですね。
またラダック領内中国との国境をまたいで広がるパンゴンツォという湖は、ラージクマール・ヒラニ監督の映画「きっと、うまくいく」のロケ地に使われたことでも有名です。

大体そんな知識を頭に入れて訪れたレー・ラダックですが、まあ非常に過ごしやすい良いところで、お気に入りの場所となりました。
インドにいる間計2回ほど訪れましたが、どちらもラダック現地の旅行代理店「Hidden Himalaya」さんにお世話になりました。ラダック在住の日本人の方がいらっしゃるので大変助かりました。


毎度お世話になっているHotel Omasila
セブン・イヤーズ・イン・チベットの時にブラピが泊ってたらしいです

標高3500mに位置する都市レーの街並み

デリー空港からレー空港まで直通便が飛んでますので、1時間ちょい位で行けてしまうのですが、レー空港に降り立った時点ですでに別世界。標高3000mを超える高地に位置していますのでとりあえず寒いです。また周囲は岩肌と砂の世界。そのような過酷な環境を拓いて築かれた都市がレーです。
白壁と木枠の統一感のある建物がひしめくメインバザールの頭上には色とりどりのフラッグがはためき、周囲の小高い山の上には街を見下ろすようにかつて王族が住んでいたレー・パレスや日本人僧侶が建立したというシャンティ・ストゥーパという仏塔が鎮座する、そんな場所がレーです。

レーのメインバザール 色とりどりのフラッグがはためく

バザールにはアウトドアグッズやパシュミナストール、仏具などを売る店が目立ちます。またメインバザールにはこの地の名産品であるアプリコットを売る行商人がちらほらと。パシュミナストールのお店の中には観光客目当てなのかやたらと高いところもあったりしますが、きちんと吟味すれば良質な掘り出し物を見つけることができます。私もインド人の同僚へのお土産にパシュミナストールを買い求めました。

またあまりデリーやほかの都市では見られないおしゃれなカフェが多いのも特徴。テラスの椅子でバザールを行きかう人たちを眺めながら優雅なカフェタイムを楽しむことができます。私が行ったのは6月と8月なので気候もちょうどよく非常に快適でした。時期によって寒いのかもしれませんが、そもそも観光できるシーズンは4月~10月くらいに限られております。

カフェのテラスでくつろぐ僧侶の方

行くまで辛すぎるが奇麗すぎる湖パンゴンツォ

レーから東の中国国境付近まで車で半日ほど走れば辿り着けるのが神秘の湖パンゴンツォです。その美しさを伝えるに1万字を費やしても足りないと思いますので写真を載せますが、この写真でも伝えきれない迫力が確かにパンゴンツォにはありました。

陰影の見え方が何やらただ事ではない山々

しかしここに行くまでが大変。車に半日揺られるだけでしょ、インド国内出張なんて一日中車移動で終わるなんてこともざらにあり慣れてるので問題ないよ、と甘く見ているとやられます。とにかく道が悪くひたすらに揺れる。延々続くガタガタの道をひたすら耐え、おしりをぶつけ、頭をぶつけ、車内の手すりを握る手に血が通わなくなるころ停車したので「着いた?」と聞いたら「半分まで来た」と言われたときは心底来たことを後悔しました。
私は生来車酔いしない性質なのでまだマシですが、ここに酔いが加わるとどうなってしまうのだろうと空恐ろしいです。ただ重ねてですがその労苦に報いる一見の価値があるだろうと思います。

最初に行ったときはレーとパンゴンツォを日帰りで往復する行程だったのですが、2度目はパンゴンツォ周辺の村に宿泊しました。1泊2日ですと片道5時間の悪路に日を分けて挑めるのでおすすめですし、パンゴンツォ湖畔でゆっくりできます。また夜間雲が出ていなければとんでもない星空を拝めます。見えている星の量からして全然違っており、ほぼ宇宙でした。

2度目に訪れた際の宿泊地 標高4350mなので当然ですが寒いです

近郊のチベット仏教寺院も面白い

近郊にはチベット仏教寺院もあり、パンゴンツォを訪れるツアーに組み込むことが可能、朝から訪れると僧侶たちがお勤めをしている様子も見ることができます。いわゆる日本の仏教寺院とはまったく異なるチベット仏教の世界です。壁画や仏像の装飾などがやたらと極彩色で華やか。

朝のお勤めの様子 子供たちは少し眠そうでした

マニ車を回し、お茶でも飲んで一休みしたらパンゴンツォへの長旅の始まりです。

高所順応せずにお酒を飲むのは危険です

標高3500mに位置するレー、日本でいう富士山山頂に届く高さですから何の対策もせずに行くと高山病になります。対策としてはまずは薬を飲むこと。ダイアモックスという薬がインド国内でも手に入ったのでレーに行く前日くらいから飲んでました。またアルコールは高山病を悪化させる危険があるので基本NG、少なくとも到着した日はお酒は控えて高所に体を慣れさせる必要があるようです。

知り合いは到着した日の夕方から早速飲み始め、翌日二日酔いと高山病で頭がグワングワンになりながら5時間悪路に揺られながらパンゴンツォに向かい地獄を見たようです。
私も最終日の夜は何件かあるレストランやバーでお酒を嗜みました。食べ物もやはりチベット文化圏ということでモモ(チベットの餃子)やトゥクパ(麺類)などが主流、日本人の口に合った味付けでおいしい&お酒が進みます。高所だからかお酒の回りも速いような気が・・・。飲みすぎは禁物ですね。

モモ 見た目は餃子で味も餃子です
トゥクパかテントゥクか 麺類です 美味です

インドらしからぬ街、レー・ラダックの魅力は尽きません。レーの街を拠点に湖や近くの村々、トレッキングに出かけたりできたら最高ですね。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
またおすすめの観光スポットなどあればご紹介できればと思います!

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