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スーツを作ってきました。

はじめに

昨日、20年ぶりにスーツを作ってみました。その時に感じたこと、考えたことをつらつら書いてみます。

なんで作ることになったのか?

大学卒業した時に、一般企業の営業職になりました。その時には年に1着くらいスーツを作ってたわけです。
その会社を辞めて以降、学生やったり、病院勤めしてたら、仕事中は白衣を着るし、通勤中は好きなものを着て行ってたので、スーツに袖を通すのは、結婚式やお葬式の時くらい…。転職する時の面接でも着たな…。

ところが、昨秋から学校の先生になったとたんに、仕事着がなんとなくスーツっぽい感じになったし、卒業式や入学式、保護者に会ったり、実習先の先生を訪問するときなどネクタイを締める必要が出てきたわけです。
で、20年位前に作ったスーツを引っ張り出しては着てたわけですが、その中の1着が、どうにもサイズが大きくて、だらしがない感じになってまして…。
それで、「20年ぶりの新作を!」と相成りました。
20年前のスーツをいまだに着れてるって、「結構頑張ってるんじゃないか」と自画自賛でございます。

どんなの作ったの?

だらしなくなっちゃったスーツが紺無地のスーツだったので、今回も色はでいきます。入学式や卒業式などフォーマルな場にも着る事を前提に、オーソドックスな、遊びの要素はあまり求めずに、というところです。

スタイルとかブランドとかについては、プライベートでも基本的にジーンズ以外履くことも無く、どちらかというとアウトドア系のスタイルが好みなので、スーツに対してのこだわりはない状態です。

で、今回は吊るしのスーツではなく、パターンオーダーかイージーオーダーで身体に合った形で作ることを最優先に、細かいことも含めお店の人と相談してやってみることにしました。いい年齢になってきたしね。

「身体に合った…」ってあたりが、理学療法士っぽいところでしょ。

と、ここでポイントになるのは、
「いい店員さんに出会えるか?」
だってことに、お気づきになったでしょうか?
出来合いの物を選ぶ場合、色や形が好みの物を見つけたら、基本的にはサイズをあわせて、ズボンの裾の長さを調整してもらうくらいなので、
お店の人の経験値に左右される部分が少ない
と思われますが、
パターンオーダー、イージーオーダーの場合、調整できる部分が多くなるので、担当になる人の腕次第で着心地に大きな差が出てくることが予想されます。
正直、ここは運次第な訳ですが、幸い私は運が良くなる修行をしているので、ここは楽々クリアとなるはずです。

実際、担当になってくれた人はこの道30年のベテランで、絶妙な距離感で初めてイージーオーダーする私をイギリス風にちょっとイタリア的要素を加えた紺無地のスーツへと導いてくれました。

イギリス風?イタリア的要素?

どうやらスーツは、大きくイギリス、イタリア、アメリカの3スタイルあるらしいです。「そんなのも知らんかったんか!」と怒る向きもあるかと思われますが、正直昨日まで知りませんでした。

なんとなく
イタリアンスーツってのは女性にもてそうな、細身の若者向け。
イギリスのスーツが伝統的なんですよね。

くらいの知識でお店に行きました。
で、注文してきてから調べました。

どうやら、イギリスのスーツはしっかりした糸で織った丈夫な布で作ってあって、肩にしっかりしたパッドが入っててかっちりとしてて、上半身の筋肉、特に胸の形を大きく見せるように作るものらしいです。
で、コンセプトは「30年着るスーツ、民衆に対して威厳・信頼感をアピールする」らしいです。

対してイタリア
ミラノ(北部)とナポリ(南部)で違うらしいけど、基本的には柔らかい布で作って、カーディガンのように軽く、しなやかに身体にフィットさせるみたいです。
男性の筋肉を曲線的に強調して女性にアピールしていくようです。
耐久性はイギリス物と比較して低く、次々新調していくようです。
どっちかっていうとお尻のラインを強調する造りになってるみたいです。

アメリカのスーツの解説を読んでると、どうも職人技っていうよりは工業製品的な制服って感じで、
「誰にでも合うような合理的な造りを優先してるような感じなのかしら」と思われました。

それぞれ特徴はあると思いますので、興味がある人は調べてみると面白いでしょう。
服の歴史とかってのもはまったら深~い沼なんでしょうね。

私の好みは
「イメージは民衆に対しての威厳があって、着心地は柔らかく感じる、丈夫なスーツって感じ」
でしょうか?

オーダーする手順は?

まずは「生地」を選びます。
壁にいっぱい生地のサンプルが並んでて、その中からお気に入りの1枚を選びます。
今回は紺無地1本なので、難しくないかと思いきや、
色の明るさ、深さ、微妙な線の入り具合、布のしなやかさ、光沢など、
結構な選択肢があって楽しめました。
最終的には担当さんの出してきてくれた生地がピンときたので、イギリス生まれの生地に決定した次第です。
ここまでの間に、担当さんと色の好みやスーツの使用目的など軽く会話をしながらやっていくので、担当さんも私の趣向をなんとなくつかみ始めている感じです。

生地が決まったら「採寸」です。
鏡の前に立って、肩幅やお腹周り、腕の長さなんかを測っていきます。
その時、体形や姿勢も同時に見るようで、
私の場合は「右肩が下がっていて、肩が前に若干巻いています」
との事でした。
たしかに鏡に映る私を自分で見てもその通り、
「やっぱり人間の身体を見て商売してる人のって節穴じゃないよね」
ってところですかね。

ここで理学療法士目線で一言‼
肩の下がりや肩の前方突出を軽減する方法、たぶんあります。
ちゃんとトレーニングすれば治るはずです。
本気で治す気つもりならね…

サイズを測り終わったら「型の決定」と「調整箇所の確認」になります。
測ったサイズを元に調整用のスーツを試着して着心地を確認しながら調整箇所を確認していきます。
ここでイギリス風のとか、イタリア的なとかが出てきたみたいです。
「肩回りが窮屈」とか「シャツの袖が見えた方がカッコいい」とか「太ももがきつい」とか、そういうのを調整していきます。

最後に「ボタン、裏地を選んだり」、
「ボタンの数やシングルにするかダブルにするか選んだり」して終了です。
お支払いは当日になります。

なんだかんだ、お店に入ってから、1時間~1時間半くらいかかったでしょうか?とてもすてきな時間が過ごせました。

終わりに

今回は確かにスーツというものを購入したので、
物に対してお金を使った形ですが、
同時にスーツを「オーダーで買う」という新しい体験に対してお金を使ったと思っています。
体験に対してお金を使うことをどれだけ多くできるかが、
豊かな人生を実現する近道だと思うので、
今回はとても良いお金の使い方ができたと思います。
担当してくださった店員さん本当にありがとうございました。
受け取りに行くのがとても楽しみです。

まとめ

20年ぶりにスーツを新調したよ。
オーダーで自分の身体に合う服を作ってもらうって楽しいよ。
次回はフルオーダーいっちゃう~。
て、こと。

おまけ

今回、担当してくださった店員さんが、
「4月から他店に移動することになりそうだ」
とのことで、受け取りに行くときにはいないかもしれないのです。
とてもいい出会いだったので、残念です。
次にスーツを作るときにも、今回の担当さんを追いかけて行っちゃおうかしら…

自分もお客さんにそんな気持ちになってもらえるよう、精進していかなきゃいかんな~

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