見出し画像

いまさらながらナイキの厚底シューズについて書いてみます。

はじめに

今回は、マラソン界に衝撃を与えたナイキの厚底シューズについて、薄っぺらい書き込みをしてみたいと思います。

なんで思いついたの?

両足関節をこっぴどく捻挫した後の体力造りにランニングを始めてから、なんだかんだ10年位経ったところで、ハーフマラソンやフルマラソンを走ったりしてたので、マラソンシューズには興味がありました。
もちろん理学療法士という仕事柄、身体の使い方と靴との関係も含めて、どういう靴が人間の動きに適しているのかを考えていました。
さらに自分の脚に良い影響の出る靴を探していたところ、
以前から「厚底vs薄底」みたいな話があったので、思うところ書いてみます。

そもそも私は薄底派…

私は薄底を支持しているのですが、それは何故かといいますと…

きっとランナーなら誰でも1度は聞いたことがあると思われる
「Born to Run」という本を読んだからです。

その本によると、人間は本来、前足部(指の付け根のところ)で着地して走ってたらしいんだけど、ナイキさんが開発し、「脚の保護に良い」とお医者さんのお墨付きをもらった靴底クッションシステムによって、踵から着地する走り方が一般的になったんだそうだ。

これは簡単な実験で確かめられます。
裸足でアスファルトの上を歩いたり走ったりしてみると…
歩くときは踵から着地するのが自然なんだけど、ひとたびペースを上げて走ろうとすると、踵から着地なんて痛くてできない訳。
で、自然と前足部で着地してるって事に気づく訳です。
アスファルトだとメチャクチャ痛いから、芝生とかビーチサンダルで走ってみるだけでもわかります。
だけど底にクッションが入ってる靴を履くと踵着地になるんだな、これが。なんでなんだろう?
で、「身体の自然な動きが大事だ!」と、
かねがね思っていた理学療法士として、私は「薄底派」になった訳です。
これは今も変わりません。

なんで「Born to Run」を読もうと思ったかってのは、
治療家としては恥ずかしながらハーフマラソンに練習不足で臨んだら膝が痛くなったんだよね…
で、当時「ベアフットランニング」が膝に良いって聞いて、
そこからビブラム5Fingersって靴とか、杵屋足袋とか、
そういうのを調べてたら、当然そこに行きついたって訳です。
ちなみに杵屋足袋はドラマ「陸王」のモデルになった足袋屋さんです。
もちろん「無敵」履いてます。

いい靴ないじゃん…

前足部着地での走行って
最初はふくらはぎがメチャクチャ痛くなるんだけど、
膝は全然痛くないしラクなんすよ。
練習翌日の階段くだりは膝がガクガクしてみてられない状態だったけど、
ふくらはぎの筋肉がついてきたら距離も十分に伸ばせるようになって、
満足いくものとなりました。
そりゃ人間本来の走り方なんだから、
当たり前っちゃ当たり前な訳だけどさ。

とはいえ、
薄底シューズでハーフマラソンやフルマラソンを走れる自信は
全くなかったのも事実。
「だったら前足部にクッションがあるシューズを探せばいいんじゃないか」
と思いついた私でした。

が、厚底で前足部にクッションが入ってる靴って、当時はほとんど見当たらなかったんですわ。
踵にクッション入ってる初心者用のは、どのブランドにもあるんですよ。
踵にクッションが入ってて厚底の初心者向けか、
薄底の上級者向けかの2択って感じだったような記憶です。
ウソだったらごめんなさい…。
心の中では前足部にクッションが入ってる靴のイメージを持ちながら、
店員さんお勧めのマラソン初完走を目指す人用の靴を買って帰る
私がそこにいました。
結局完走できたから良かったんです。結果としては…。
で、しばらくマラソンから離れてたんですが、
最近厚底が凄いってんで、評判を書いた記事を読んでみた訳ですな。
すると…

なんと…

ナイキのピンクの厚底シューズって前足部着地を誘導するようにできてるって話じゃないですか‼
加えて、前足部にエア入ってるし‼

要するに、身体の動きの行きつくところはそこだったって事ですわ。
靴の底が薄かろうが厚かろうが、身体にとって合理的な動きは、走るときには前足部から着地するって事だと。
トップ選手は昔から薄底シューズ履いてオリンピックとか出てた訳だから、みんなそうしてたけど、
脚を特に鍛えてない素人にもその波が来た訳ね。

カーボンプレートって…

さらにナイキのピンクの厚底靴にはカーボンプレート
入ってるって話です。要するにバネですな。
昔、ピストリウスってパラリンピックで敵なしだった義足の短距離ランナーがいましたが、
たしか彼は並みの健常アスリートより速く走ってた記憶があります。
彼の義足の足部がそのバネだと思われます。
つまり、バネの反発力をコントロールできるだけの力があれば、
バネの反発力をさらに強くして、身体を前に運ぶ力を靴に仕込ませることができるってことになりそうです。
メカニカルドーピング(私が作った言葉です…)といってもいいかもしれません。言い過ぎた気がします…。
バネの力を手なずけられる身体を手に入れるために、
トレーニングをしなきゃいけないから、
結局は肉体の強化が必要になりますが、なんか鍛え方が違うような、
それでも「まぁいいか」って言えちゃいそうな、微妙な気分です。

結果

ナイキの厚底シューズを履くと良い記録が出るってことで、
ナイキを選ぶ選手が増える。
他ブランドも厚底にバネ入れてってシューズを開発するんだろうね。
世の中、これが良いってなるとみんながそれを選ぶもんだよね。
水着ストレッチブーツルーズソックスもそうだった…。

まとめ

来年の夏の札幌では、みんなどんな靴でマラソンを走るんだろうねって事。
走るときの身体の使い方、靴の重要性に興味が出てきた方は、
とりあえず「Born to Run」面白いから読んでみてくださいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?