YELLOW ④
そのうちに、
僕の思いが何かにつながったのか、
女性の歌声が
そっとこだましてくる。
一人、
また 一人と。
銘々の歌声は
きれいに重なり合いながら、
僕の元へと 舞い降りてくる。
何人ぐらいいるだろう?
風のような唄のメロディーにのって、
この空高く、
あのあたり。
夜明けの唄の湧き起こる、
あの同じあたりから、
どこかなつかしい
女性たちの歌声が聞こえてきた。
そう、 これでいいんだ。
これでいい。
人の声が吹き込まれ、
音楽は初めて真実となる。
僕はいつもそんなふうに思っていた。
僕は今では
音楽そのものというよりも、
女性たちの力強い歌声の方へ
一心に耳を傾け始めていた。
マンリョウの丘を訪れてくださり、 本当にありがとうございます。 私たち一人ひとりの、心の中の草原が、 やさしい風によって、 結びつき、つながってゆくことを、 心から願っています。