YELLOW ③
目を覚まさなくては。
気持ちの上では、
僕はそんなふうに決意を固めている。
でも からだは動かない。
・・・動けない。
僕は大地に深く沈み込んでしまっている。
それでも、
うつろな意識をはっきりさせ、
僕は目を大きく見開いて、
複雑に入り組んだ葉のわずかなあいだから、
白み始めた空を透かし見た。
もっと高く、 もっと高く。
きっと この空高く、
はるか遠いところから、
ピアノとギターを基調とした
このリズミカルなメロディーは届けられるのだ。
夜明け前、
新しい朝を迎えるための ポップ・ソング。
からだは動かなくても、
僕の思いだけは この唄にのって、
上へ上へと
ぐんぐんのぼっていける。
どこへでもいける。
・・・そんな気がした。
僕は 心を静かにして、
あらためて この音楽に耳を澄ませた。
ド・レ・ミ、 ド・レ・ミ。
マンリョウの丘を訪れてくださり、 本当にありがとうございます。 私たち一人ひとりの、心の中の草原が、 やさしい風によって、 結びつき、つながってゆくことを、 心から願っています。