YELLOW ②
ずっしりと太い幹から、
四方八方へからまり合いながら伸びた無数の枝が、
あちこちで大きくしなっている。
鳥たちがせわしなく枝から枝へと飛び回り、
このささやかな唄に合わせて
力いっぱいさえずっているのだ。
そして その動きに応えるかのようにして、
木全体もそっとささやき始める。
その真新しい息吹きまで、
僕にははっきりと聞き取ることができる。
何メートルぐらいあるだろう、
空高くまっすぐにそびえ立つ大きな木の根元で
仰向けに横たわる僕の目には、
勢いよく茂った葉の隙間から
うっすらと白い光が射し込み始めていた。
ちりりん、 ちりりん。
地上から静かに湧き起こってくる音色がある。
僕の横たわるやわらかな茂みの下からは、
虫の音がかすかに聞こえてくるようだった。
コオロギだろうか?
日の出を前に 白み始めた視界の中、
大地の上では 虫たちが、
広がる枝葉では 鳥たちが、
夜明けのリズムにからだをのせる。
マンリョウの丘を訪れてくださり、 本当にありがとうございます。 私たち一人ひとりの、心の中の草原が、 やさしい風によって、 結びつき、つながってゆくことを、 心から願っています。