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古典、故事成語021(淮南子、易経、呻吟語、菜根譚)

天地之道、極則反、盈則損。

天地の道は、極まれば則ち反り、盈つれば則ち損す。

この世の法則は、極まればもとに返り、満つれば欠ける。
(淮南子)


天地盈虚、與時消息。而況於人乎。

天地の盈虚は時と消息す。而るを況んや人に於いてをや。

この世は四季の推移に従って盛衰する。
この世でさえかくの如し、まして人間界の諸々の出来事はこの法則を免れる事は出来ない。
(易経)


世之欲悪無窮、人之精力有限。
以有限与無窮闘、則物之勝人、不啻千萬、奈之何不病且死也。

世の欲悪は窮まり無く、人の精力は限りあり。
限りあるを以って窮まりなきと闘わば、則ち物の人に勝つこと、啻(ただ)に千万のみならず、之を奈何ぞ病み且つ死せざらんや。

人生の欲望には窮まりが無く、人間の精力には限りがある。
限りがある精力で、窮まりの無い欲望を満たそうとしても、到底叶えられるものではない。
挙句の果ては精も根も使い果たして、病気に掛かり死に至るのである。
(呻吟語)


知成之必敗、則求成之心、不必太堅。
知生之必死、則保生之道、不必過労。

成の必ず敗るるを知れば、則ち成を求むるの心は、必ずしも太(はなは)だ堅からず。
生の必ず死するを知れば、則ち生を保つの道は、必ずしも過労せず。

成功があれば必ず失敗がある。この事に気付けば、成功を目指してがむしゃらに突っ走ろうとする気持ちも落ち着いてくる。
生があれば必ず死がある。この理を悟れば、長生きを願ってあくせくする気持ちも薄らぎ平穏が訪れる。
(菜根譚)


※注釈※

宇宙の法則、自然現象、世の中の流れなどについて説かれています。

全ての人間は深淵な宇宙の中に存在する一つの生命に過ぎません。

虫籠の虫が、鳥籠の鳥が、養豚場の豚が、そこが世界の全てだと思い生きているように、人間はその人が認識している世界が全てだと思っています。

その為に多種多様な感情に振り回され、大小様々な失態を繰り返し続けて来ました。

宇宙の視点から観れば、例えば人類史は戦争の歴史である愚かしさが解る事と思います。

ですが多くの人類は、客観を忘れ主観で生きるが為に、不幸の種を無意識に植える事を好む。

自分の心に従わない。家庭・学校・地域・職場・社会・経済・道具・報道、多種多様な事に心を阻害され洗脳され、崖の先へとアクセルを踏み続ける事に固執する。

前向きに真っ直ぐ取り組む努力を否定はしません。

ですが時には立ち止まって、横や後ろや空を眺めてみませんか?


旧ブログにて2017年06月23日に記載していたもの


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