10マインドフル・ステップス仏陀の次第説法 プロローグ
皆さんこんにちは。
前回はそんしの気づきの瞑想実践①を書きましたが、今回は新しいシリーズである10マインドフル・ステップス 仏陀の次第説法①の執筆を始めていきたいと思います。
このシリーズでは、パーリ経典に収録されている第二のウッガ経:Dutiyauggasuttaṃ(『増支部』8-22)で10段階で説かれたという仏陀の次第説法の教えをテーマにして10マインドフル・ステップスとして解説していきたいと思います。
第二のウッガ経の経文については、光明寺経蔵様のHPより引用させていただきたいと思います。
はじめに
まずは、第二のウッガ経の内容について簡単に説明したいと思います。
この経文のタイトルになっているウッガとは、仏陀の在家の弟子の居士(裕福な名士)の名前です。
ウッガ居士は、在家のまま不還果の悟りの境地に達していたと仏陀によって認定されていた有名な在家仏弟子の聖者です。
第二のウッガ経では、仏陀によって「ウッガ居士は、八つの稀有未曾有の法を備えた者である。」と認定されたウッガ居士の元に比丘達が訪ねて行って対話するという内容のお経です。
今回は、第二のウッガ経の中でウッガ居士の回想として語られている仏陀が説いた10段階の次第説法をメインテーマに解説したいと思いますので、ウッガ居士に備わっていた八つの稀有未曾有の法については扱わない予定です。
第二のウッガ経の中では、仏陀が10項目の次第説法をしていたという回想が語られているだけでそれぞれの項目の詳しい解説などは記されてはいません。
仏陀が説いた10段階の次第説法の各項目は残されていますので、それを基にして各項目の内容については私の個人的な解説となることはご了承下さい。
仏陀の次第説法を、『10マインドフル・ステップス 仏陀の次第説法』として現代に再現して皆さんに紹介することに挑戦してみようという試みなのです。
10段階の次第説法の概要
仏陀の説かれた10段階の次第説法の項目については、第二のウッガ経の経文を引用して説明したいと思います。
仏陀の次第説法は以下の10項目です。
①施の話(dānakathaṃ)
布施、施しについての説法です。
②戒の話(sīlakathaṃ)
戒律、道徳についての説法です。
③天の話(saggakathaṃ)
功徳を積むと天界に生まれると説いて、死後の不安を取り除いて布施の実践や道徳を守ることを勧める説法です。
④諸欲の過患(kāmānaṃ ādīnavaṃ)
五欲の危険性についての説法です。
⑤罪悪、雑染(okāraṃ saṃkilesaṃ)
生きる上で心が汚れることは避けられないという説法です。
⑥出離の功徳(nekkhamme ānisaṃsaṃ )
欲から離れることについての説法です。
⑦苦(dukkhaṃ)
苦聖諦についての説法です。
⑧集(samudayaṃ)
苦集聖諦についての説法です。
⑨滅(nirodhaṃ)
苦滅聖諦についての説法です。
⑩道(maggaṃ)
苦滅道諦(八正道)についての説法です。
以上の10項目が仏陀の次第説法です。
次回からは、これらの仏陀の10段階の次第説法を10マインドフル・ステップスとして解説していきたいと思います。
重要なポイント
・仏陀の次第説法は、一般の方々にも理解しやすい施しや道徳や功徳の話から指導を始めて段階的に教えと実践に対する理解を深めていくというプログラムです。
・仏陀の次第説法の最終的な目的は、一般の方々を段階的な説法で四聖諦を理解できる智慧を育てて苦を滅する道である八正道を実践して苦の滅、解脱(苦滅聖諦)へ導くことです。
終わり
今回は、『10マインドフル・ステップス』のテーマの元になったお経と仏陀の10段階の次第説法の項目と概要を簡単に紹介するところで終わりたいと思います。
次回から、仏陀の次第説法の第一項目である布施の説明に入りたいと予定しています。
ここまで読んで下さった方々に、智慧の光が現れますようにと御祈念申し上げます。