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ナチュラルワインを通したバイオダイナミクス農法とそれを扱う環境は「美味しさ」の前にはサスティナブルとなりえるのか?

こんにちばんわ。

今日はナチュラルワインを扱った経験を通しての、自然農法やバイオダイナミクス農法を肌で感じ、結局は自然が大事か、美味しさが大事かの二極化しなきゃいけないのはなんか違くない?という話。

といっておいてなんだけど、偏った知識と個人の、感情やバイアスがある。読んでくれるのであれば、あくまで「川口潤也は今こう考えてるのかあ…。」くらいに思って、後はそれぞれの考え方をもって購買や支援をおこなってほしい。
それに、そこそこしか情報がないのと、実際にバイオダイナミクス農法をやったことがないので、これからの情報取得によっては180度意見が変わるかもしれない。
(正直こんなことを書くくらいなら今期のアニメの一押しを書いた方がよっぽど信憑性ある情報かもしれないということは伝えたい。ちなみに、イド・インヴェイテッドと空挺ドラゴンズは面白そう。)

あと、この話題は闇が深いので正直手を出したら負け感はある…。
有機農法とバイオダイナミクス農法が違うことの説明や、磁力、磁場、電磁波、オーラ、などの精神世界の話も入ってくるので、そういうものに抵抗ある人はまったく受け付けないし、そこに重心を置いている人にとっては靴下を裏返しに履くぐらいセンシティブな話になると思う。

すいません。長くなりました。では本題へ。

ナチュラルワインへの想い

僕は以前から俗に言う「ナチュラルワイン」という飲料が好きで色々と調べたし、地方の一飲食店(その中でも八戸という地域においては)のなかでは興味を持って調べた方だと思う。といっても、インポーターの試飲会や、生産者来日の講演会に数度足を運んだのと、その関連した本を買って読むこととかだったから相当何もしていない方かもしれないけど。

そのなかで僕が読んでいた本はここに乗せておこうと思う。

と、こんな感じでは読んでいて、この中でも特にビオディナミワインQ&A35はなかなか面白かった。特にディナミザシオンの中の混沌の話とか。
月の満ち欠けや、水晶の話、調合剤やプレパラートと呼ばれるような不思議な民間療法的畑の知恵などは、まるで「ロード・オブ・ザ・リング」の世界に入り込んだようなワクワク感ある話に思えた。(ちなみにスターウォーズも好き)
それから、生産者の講演の中で、畑を一世界と捉えて、生物多様性を畑の中に作り、陰陽のバランスや混沌とした疑似世界をつくりあげる思想はすごく面白かった。
そして、政府や協会という公共的組織と対立しながら自身の理想を追い求めるマイノリティなヒッピー思想はなかなかにパンクでロックでカッコよかったのもある。自然を愛していることが伝わり、自家耕作用のロバを愛していたり、農作業で体感する汗や風、太陽や雨から来る自然の恵み、それらの総力を紡いで作られたブドウという農産物を愛していることがひしひしと伝わってくる。自然というものに感謝しているんだなあと切に感じていた。

後は、クラシカルなワインに感じる、ある種の「大人の飲み物」感がない所も好きだった。
僕自身、ワインは好きだったのだが、高尚なスーツをきた人がそのワインのことを語りながら飲むという、メディアから作られた姿と、
自分自身の無価値感に抗う為にすがりたいアイテムになっていたと思う。
あのナチュラルワインの濁っていて、ガスっていて、ブドウらしさも感じて、いうなればその「不完全感」にはある種のシンパシーを感じていたのだ。(それは無農薬の野菜にも言えるかもしれない)

なのであるとき、「ナチュラルワイン」の中でも第一線と言われるワインを頂いたときは正直戸惑ってしまった。
あまりにも綺麗でクリアで洗練されたそのワインはそれまで自分が距離を置いていたワインと似ていたからだ。
いや、まあ、似ていたって言っても複雑さとか香味の立ち上り方とかは違うかもしれないけどもそういう事じゃなくて、パンクさが無かったってことかなあ。不完全さは成熟という形に成長していたという感じかもしれない。

その時は作り続ければこんな感じになっていくのかもしれないなあ、とか、ワインという飲料の目標の一個がここなのかなあとか漠然と考えたけど、あまり深く考えなかったことを覚えている。兎にも角にもその希少なワインの味わいと印象を覚えようとするのに必死だったから。

で、その時のことを忘れずに記憶しながら「ナチュラルワイン」と向き合っていったんだけど。どうやらワインを扱っている人たちの中でもいろいろ思うことがあることも感じるようになってきた。
というのも、その「不完全さ」こそがナチュラルワインだと思って、それを求めている人。「不完全さ」を忌み嫌って毛嫌いする人。「不完全さ」はダメだと言い切るが、「安定した」あるいは「安定しつつあるもの」については評価する人。すべてを飲み込みターゲットに合わせて出すワインを変える人。神がかった予測と膨大なデータ量から相手の好みとワインのポテンシャルを考慮しその時に「ベスト」を選択できる人。など様々いることを知ったからだった。

そうした人達と出会い、いろいろな経験をする上で違和感を覚えた事が2つあった。

その違和感とは「成長」と「保管」だった。


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