ファラ

主に音楽を聴いたりカレーを食べたり子育てを頑張ったりしています。 http://sik…

ファラ

主に音楽を聴いたりカレーを食べたり子育てを頑張ったりしています。 http://sikeimusic.hatenablog.jp/

マガジン

最近の記事

Claude Fontaine "La Mer"

アメリカ・ロサンゼルス出身のシンガーソングライターによる、約5年半ぶりフルレンス2作目。 情報の整理。彼女は過去にロンドンに移住していた時期があり、その頃にレコードショップへと足繫く通い始め、ジャズやブルース、ボサノバにレゲエといった数々の音楽ジャンルにのめり込んだのだという。当時は恋人との破局もあって、そういった音楽がなおさら彼女にとってはある種のセラピーの役割を果たしたそうだ。ロサンゼルスに帰ってきてから彼女は一念発起し、自分が多大なインスピレーションを受けたミュージシ

    • ファースト満4歳3ヶ月&セカンド満6ヶ月

      8月5日。本日よりセカンドアルバムの離乳食が始まる。最初はセオリー通りに10倍粥から食べさせてみるが、まあなんとも渋い顔をして、全く受け付けずにぺっぺっと吐き出してグズついてしまう。ファーストの時は割とすんなり受け入れてくれていたので、ちょっと戸惑ってしまう。セカンドはミルクも作った分を一気には飲まず、自分のペースで何度かに分けて飲もうとするので、もしかすると食に対しては気難しいのかもしれない。まあ気長にやっていくしかないか。 それとこの頃からずりばいが見られるようになる。

      • Lia Kohl "Normal Sounds"

        アメリカ・シカゴ出身のチェロ奏者による、約1年半ぶりフルレンス3作目。 海の波、鳥のさえずり、雨音といった自然の音に美しさを見出すのは難しくないが、それに比べて日常の人為的な音の魅力は見落とされがちだ…というのは、公式 bandcamp にある今作の紹介文の導入部だが、この考えは今作のみならず、デビュー時から共通して Lia Kohl の内にあるテーマの最たるものだろう。金属質な騒音や自動音声のアナウンス、他愛ないラジオ放送なんかにも美しさはきっと潜んでいる。そう考えた彼女

        • Belong "Realistic IX"

          アメリカ・ニューオーリンズ出身のデュオによる、約13年半ぶりフルレンス3作目。 激しく歪められたギターサウンドの重層と、反復し続ける簡素な打ち込みのリズム。不協和音の波が幾度も押し寄せる様は、アグレッシブでありつつ幻想的でもあり、聴き手の脳内を即座に別次元へとトリップさせる。この音楽を一言で表すとするならば、きっとほとんどの人が「シューゲイザー」と答えるだろう。しかし、興味深いインタビューを見つけた。その中での彼らによると、自分たちは My Bloody Valentine

        Claude Fontaine "La Mer"

        マガジン

        • 音楽
          157本
        • 子育て
          66本

        記事

          ファースト満4歳2ヶ月&セカンド満5ヶ月

          近況。ファーストアルバムは順調に育っている。いまだに舌足らずではあるものの、ボキャブラリーも増えてきてお話しようという意欲は確かに見て取れる。「ちょっとわかんなーい」「もうしらん!」など、きっと周囲の話し声を聞いて習得したであろう言葉がちょこちょこ出てきて、そのたびに驚かされる。幼稚園で今日どんなことがあったかはまだあまり話せない(話したがらない?)が、送迎に行ったときは他の子とキャッキャとコミュニケーションを取っている様子は見られるので、ひとまずは大丈夫そう。念のため引き続

          ファースト満4歳2ヶ月&セカンド満5ヶ月

          Clothing "From Memory"

          アメリカ・ニューヨーク出身のエレクトロデュオによるデビュー作。 情報の整理。Clothing は Aakaash Israni と Ben Sterling の二人で構成されている。Aakaash はピアノ/ベース/ドラムのトリオ編成によるポストロックバンド Dawn of Midi のメンバーでもあり、ジャズやクラシカル、ミニマルテクノを消化した音楽性で、Radiohead や Nils Frahm のオープニングアクトに抜擢された経験もある実力の持ち主。もう一方の Be

          Clothing "From Memory"

          SML "Small Medium Large"

          アメリカ出身のジャズバンドによる初フルレンス。 没頭できるような音楽が聴きたい。目の前の風景を塗り替えるような音楽が聴きたい。それはこの四半世紀あまり、自分が音楽オタクの道に向かいだした中学生の頃から変わらない願いだ。社会人になった今でも、例えば平日の仕事終わりでくたびれた電車の中、iPhone にイヤホンを繋いで再生し、ふと窓の外に遠い目をやったとき、なんだかこの電車丸ごとがウルトラQ "あけてくれ!" よろしく、丸ごと宙に浮かんでこの世ならざる世界に突っ走っていくのでは

          SML "Small Medium Large"

          ファースト満4歳1ヶ月&セカンド満4ヶ月

          6月27日。セカンドアルバムの定期検診。この日のチェックで正式に首がすわっていると認定された。最近は寝返りもバンバン打つし、なんとか腹ばいで前に進もうと「ううー」と唸りながら熱心に自主トレを続けている。特にお兄ちゃんの見ているテレビが気になるようで、画面の方に向かって懸命に顔を上げたり近寄ろうと試みたりしている。あとは指しゃぶりや物を掴む動作、クーイングも少しずつ増えてきた。順調に成長している。ファーストアルバムはだいたいテレビやおもちゃに夢中で、セカンドのことはあまり意に介

          ファースト満4歳1ヶ月&セカンド満4ヶ月

          2024上半期ベストトラック33選(6選)

          えっ今年半分終わり?ていうか2020年代の半分が終わろうとしている?もう時間の流れに全然ついていけないのだが、それでも新しい音楽は容赦なく山のように毎週生み出される。というわけで今年も、自分が聴いた中で素晴らしいと感じた33曲を Apple Music と Spotify でプレイリストにしてみた。曲順はざっくりリリース順。時間のある方、梅雨の雨でやる気が削がれている方、あるいは作業用にでも、ぜひチェックを。 なおかつその中から特別にインパクトを受けた6曲を下の方に選出し、

          2024上半期ベストトラック33選(6選)

          ファースト満4歳&セカンド満3ヶ月

          5月19日。セカンドアルバムのお食い初めを執り行う。ファーストアルバムの時と同じ業者に御膳を注文し、鯛を食べる真似をさせ、一通りの撮影会が終わった後はゆっくりご飯。ファーストアルバムと同じように御膳とセカンドアルバムを並べた写真を撮ったのだが、比べてみるとほとんど見分けがつかない。遺伝子とは面白いものだ。セカンドアルバムは手足をジタバタさせたり、その辺のものを掴もうとしたり、寝返りも自分でできそうになっている。あとふにふに笑うようになった。順調に成長しているな。 5月26日

          ファースト満4歳&セカンド満3ヶ月

          Bat for Lashes "The Dream of Delphi"

          イギリス・ロンドン出身のシンガーソングライターによる、約5年ぶりフルレンス6作目。 アルバム表題にある "Delphi" とは Bat for Lashes こと Natasha Khan の娘の名前。2020年に初の出産を経験した彼女は、自分の子供という小さくも大きな存在から多大なインスピレーションを受け、今作の制作に繋がったのだという。"Letter to My Daughter" "Her First Morning" などそのままズバリな曲名が並んでいたり、"Chr

          Bat for Lashes "The Dream of Delphi"

          Vicky Farewell "Give A Damn"

          アメリカ・カリフォルニア出身のシンガーソングライターによる、約2年ぶりフルレンス2作目。 彼女の経歴を調べてみると、Vicky Nguyen 名義で Anderson .Paak のアルバムに作曲で参加したり、Kali Uchis や WILLOW 、Mac DeMarco などのサポートを務めたりと、すでに確かな実績を残している(今作も Mac DeMarco の主宰するレーベルからのリリース)。だが自身のソロ名義においては、彼女は煌びやかなスターダムを見据えて…といった

          Vicky Farewell "Give A Damn"

          ファースト満3歳11ヶ月&セカンド満2ヶ月

          4月9日。慣らし期間を経て、いよいよファーストアルバムの入園式。幼稚園の制服であるブレザーとベレー帽をかぶり、なんだか慣れない、けどニヤニヤした満更でもない様子で式に向かう。キリスト教系の幼稚園ということで園の中には礼拝堂があり、中は写真や動画撮影も禁止とのこと。最初に保護者が席に着き、後から新入生が上の学年の子に手を引かれて礼拝堂に入ってくる。上の子が下の子の面倒を見るというブラザーシスター制度のようで、ファーストアルバムにはわずか1歳上とは思えないほどキリッとした佇まいの

          ファースト満3歳11ヶ月&セカンド満2ヶ月

          BIG|BRAVE "A Chaos of Flowers"

          カナダ・モントリオール出身のメタルバンドによる、約1年フルレンス7作目。 「最大限の音量が最大限の成果を生み出す」と喝破したのはドゥームメタルデュオ Sunn O))) だが、それは確かにひとつの真理である。ただ Sunn O))) の場合は、ギタリスト2人のみという至極ミニマルな編成で、自身の鳴らす音のみを徹底的にブーストし、それ以外の音数を(クワイアや管弦楽器といった装飾を効果的に用いる以外は)ストイックに削ぎ落とすことも最大限の成果を生み出す秘訣となっていた。轟音と無

          BIG|BRAVE "A Chaos of Flowers"

          Still House Plants "If I don't make it, I love u"

          イギリス・ロンドン出身のロックバンドによる、約3年半ぶりフルレンス3作目。 「最大限の音量が最大限の成果を生み出す」と喝破したのはドゥームメタルデュオ Sunn O))) だが、それは確かにひとつの真理である。しかしその一方で、最小限の音数で最大限の成果を生み出さんとする野心的なアクトも数多く存在し、そちらはそちらでまた別の真理を突いている。パッと思いつくところで例を挙げてみると、スロウコア/サッドコアの代表格として US インディロックの歴史に名を刻んだ Low 、ドリー

          Still House Plants "If I don't make it, I love u"

          Khruangbin "A La Sala"

          アメリカ・テキサス出身のロックバンドによる、約4年ぶりフルレンス4作目。 2020年、コロナ禍でおよそ全てのライブ活動が途絶えてしまっていた年、自分はフジロックが過去のアーカイブ映像を YouTube で配信しているのを見ていた。その中に2019年の Khruangbin のライブが含まれていた。自分はこれまで逃し続けていた念願の The Cure を拝むため、この時の Khruangbin を生で体感することはできなかったのだが、彼らのステージは後追いの映像越しであっても

          Khruangbin "A La Sala"