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詩「 正義という名の暴力の下で真実の花が散った 」



涙はただ流れずに

そこいらじゅうに留まって

模様になった

寒い寒い朝に

ちぎれそうになった

鳥たちの鳴き声は

とろけるようにクリームになって

甘味におぼれてドロドロした断言がつきさす薄っぺらなハートは

拗ねた態度で手紙を破り捨てた

最初からすべてわかっている

しわくちゃに丸まった

並んだ手の施しようのない傷痕

ボロボロになる

ピンク色の花咲き乱れて

映し出されたものは砂の嵐

周波数がすれ違う

季節はそこにあるのに

ズレていく

かすれた喉はすきまをつくる

余白のなかを気持ちよく踊る

ぎこちない動力

伝わらない瞳の奥

真実がその眼に

飾られた虚像はひきつった口元に

土の中でいくつもの触手を伸ばしているのに

こんなにもやせっぽちで

皮一枚だけでつながっているようだ

君たちは何一つ狂っていない

この世界がどこかおかしいのだ

礎の成分がいびつで

混じりあわないものを無理に合成して

奇形の意志が正しさを暴力に変えて

異形のものを追放した

革命すらおこせないように

骨抜きにしたのだ

食べやすい魚のソテーだ

サラダとライスをつけて

丸々と太るまでむさぼった

注射針が変な液体を流し込み

壊された秩序

流れていく

透明がにごる

ひとつひとつの細胞が声を奪われた

本当のことを教えてくれ

あてにならない指標が

足の踏み場もないくらいの栄光の名の下のパーティー

社交ダンスの音楽が

ぐるぐると協力しない個性をまぜた

失われた元々そこにあったものたち

アンバランスな風景

とってつけた滑稽

棒グラフが何千本もの槍になって

降ってくる 降ってくる

冬になった









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