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Photo by
dekachiwa
何気ない日も、君がいたから
彼女と出会って、僕の生活は、有彩色に包まれていた。
灰色の空が青色に、カーテンの柄すらもきれいに見えた。
線路沿いの駅までの道のりは、ただの道では無く、
雨の日は傘を持って、迎えに行った時もあった。
コンビニの帰り道も、自販機までの道も、
僕の全てだった。
出会ったときは、泣きたくなるほど嬉しかったけど、
今は、出会ったことさえ、忘れたいと思っているよ。
行く当てもない電車に乗った日もあった。
一言でいえば、一言で言えない、そんな捻くれた僕だけど、
いつも、ほどいてくれていたよね。
笑った顔も、起こった時の顔も、泣いているときの顔も、
忘れてしまった。
意味が、置いていった、ジト目の歯ブラシも、メッキが剥がれたブレスレットも、まだ置いてある。
いつでも戻ってこられるように。
いまだに、カーテンの柄は綺麗で、悔しくなるよ。
夢から覚めたら、君はリビングのソファで寝ているだろうか。
いつでも待ってる。
湿度が舞い散る、一瞬の乾いた、夏の思い出。
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