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【読書感想】『自分の中に毒を持て あなたは"常識人間"を捨てられるか』【ただただ自分と戦え】

この本に人生観への新しい発見を求めて

私が今回この本に期待していたことは、今の自分の人生観への考え方に新しい風を吹かせることです。
タイトルからして刺々しくて、期待してしまいますね。表紙にはバーンっとこちらを見ている目力が凄まじい男性の写真。ちょっと怖くすらありますね。

私は本を読むとき工夫を試みます。
本の読み方に関連する本や動画をかなりの数見てきて、実践したりもしたのですが、馴染まず。自分に馴染む良い読書の方法を探して、本を読むときは試しているわけです。
まず、著者が読者に何を伝えようとしているのか、読む前に端的に把握しようとしてみます。裏表紙をチェックして、内側のカバーの著者の簡単な紹介を呼んで、目次をざっと見ます。
そうしたら著者が読者に伝えたがってそうなところと、自分の興味関心が強そうなことが書かれていそうな目次にマーカーを引きます。
マーカーを引いたところをじっくりと読み、そうでないところはさっさっと読みます。
あらすじがないので、初めのページだけざっと目を通します。

読む前に受けたメッセージ

「その他大勢になるな、醜い自分で生きてみろ」
読書前に得られた情報からは、上記みたいなメッセージが込められているような気がしました。
これがあっているなら、この本から新しい人生観を得ることができそうで、楽しみでした。
目次だけでも異彩を放っていますね。既に何か人生についてアドバイスを言われた気分になります。

読了後に受けとったメッセージ

「劣った自分を堂々と受け入れろ、そして諦めることはするな。戦う相手は常に自分、他人の目は関係がない。皆も自分も心にはねじ曲がった醜さを抱えて生きている。そのねじ曲がった生き様も含めて美しいといわれることがあるのだ」
まず、自分がなんとなく他人に指摘されたら嫌だなと感じている部分や、劣っているなと感じている部分、ここを素直に受け入れることの生きやすさってあると思いました。
なんで自分が劣っている部分を認めるのが苦痛なのか…それを認めたら、自分の価値が下がってしまう気がするからかもしれないですね。人によっては、その価値の低下で自己評価が地について、もう自分に生きる価値なんてないんじゃないかとさえ、思ってしまう事もあるのかもしれません。
だからこそ、自分の劣っている分をなんとか隠したい、受け入れたくないと思うのではないでしょうか。

でもそれは違うのかもしれないと思いました。
劣っているとはそもそも何と比べて劣っていると言っているのか…それは、他人でしょう。他の人の能力と比較して上なのか下なのか中間なのか、判断しているわけです。
他人と比較して劣っている部分がある、それは当たり前で、仮に目の前の他人と比較して劣っている部分を克服したとしてもまた別の他人との比較で劣っている部分が自分に見つかることでしょう。
だから、自分が何か諦めないでやろうとしている時、他人の目も他人の能力も気にしてはいけないということなのでしょう。自分が熱をあげられるか、歩き続けられるか、戦う相手は常に自分という事なんだと思います。他人と戦い続けることと、自分と戦い続けること、どちらも楽とは思えませんが、自分との戦いの方が、どうしようもない戦いを強いられることは少なそうな気がします。

美しいとは目に見える造形だけでなく、その内面からも出ているもの。その人が生きて、歪に組み上げていった人生そのものも含めて美しいという言葉が使われるということがあること。
これは、なんとなく実感できました。美男美女と言われるような人でなくても、美しいと言われる生き様ってあると思うからです。
泥水すすって生きているような有様でも、複雑骨折しているような人生でも、対面するものを刺すような何かがあればきっと美しいのだと思います。

私も、歪ながら美しく生きれたら良いのになと思います。
とりあえずは、自分の劣っている部分を受け入れるところから始めようかなと思いました。
それすら、結構な辛さだとは思いますが…。

劣っている部分を指摘されるのが特に苦痛な人、美しさとは何か、美しくいきたいと考えている人、この本を手に取ると、参考になるかもしれません。

出展
著者 岡本太郎
『自分の中に毒を持て あなたは"常識人間"を捨てられるか』 
青春出版社 ‎ 2017/12/9出版


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