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怖い話、禍話のリライト、書評なんかを書いていこうと思っています

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  • 禍話リライト

    怖い話ツイキャス”禍話”で話されていた話のリライト

最近の記事

伝説の男

これは、とある男の話である。  ある街には、誰も近寄らない廃墟の病院があった。一時解体しようと業者が入ったが、すぐに辞退され、次の業者が入ったがまたすぐに…と数回繰り返したのちに解体自体をやらなくなった。噂では逃げるように撤退してあったため、機材やカルテなんかも残されているらしい。そういった廃墟は、廃墟マニアや心霊スポット巡りが好きな人、肝試しスポットとして人が行くことがあるが、誰も行こうとしない。まず、雰囲気が薄暗く怖いというのもあるが、2階より上がとんでもなく怖く誰も行

    • 首頭地蔵

      「いやぁ…こんなことあるんですね。」  そう言って語ってくれたのは、体験者の宮川さんだ。  その日、宮川さんは会社の飲み会で街に出ていた。2件目のお店を出て風に当たりたいと河川敷を先輩、後輩含め5人ほどで歩いていた。酔いを醒ますためにペットボトルのお水を買い、仕事の愚痴なんかを話していた。しばらく歩いていると、橋が架かっているところまできた。そうしたら先輩が何を考えたのかテンションが上がっていきなり持っていたペットボトルを橋の下に投げ捨てた。一緒にいた人たちは、一瞬何が起

      • [禍話リライト]ダンボールの家

         これは、とある大学のサークルに所属する人たちの体験談。  そのサークルでは一時期、心霊スポット巡りが流行っていた。それはもう行きすぎるほどに。ただ、行きすぎた結果その大学のある地域にある有名な心霊スポットは行き尽くしてしまい、次に行くスポットが無くなってしまっていた。  そこで、そのサークルのメンバーが考えたのが「地元生に話を聞いて連れて行ってもらう」ということだった。実際に行ってみると、有名なところより不可解なことが起きて怖く感じていたため余計にハマっていった。  そんな

        • 【実話怪談】昔の記憶

          私が小学校3年生くらいの時の話です。 3つ下の妹が10月のある日血尿が出て痛みがあったため地元にある大きな病院に連れて行くことになった。妹は重度の膀胱炎で数日の入院が必要な状態だった。 連れて行った時間は昼間だったが、検査だったり手続きだったりで外は暗くなっていた。 病院の診察時間は過ぎており、入院や急患の処置をしている時間だったのもあり廊下は暗く少し不気味な雰囲気が漂っていた。 長い時間検査等で待たされていたため、トイレに行きたいと思い母に一言言って病室を出て1人でトイレに

        伝説の男

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        • 禍話リライト
          7本

        記事

          ザクザクのお祓い

           大学の後輩のAちゃんは、幼稚園の頃から見ていたある夢があった。  それは、気を抜くと見てしまう悪夢で違う夢を見ている時や、ボーッとしている時に割り込んできていた。その夢というのは、「辺り一面雪景色で、大人の男性が複数人で鍬とかスコップで地面に横たわる白装束の女性をザクザクに突き刺している。男性たちはやりたくないように見え、女性は声を一言も発していない。ザクザクにやられているのに手足が動くからその状態でも生きているようには見える。その現場は女性の血がたまっていて自分はその様子

          ザクザクのお祓い

          [禍話リライト]十円玉

          これは、こっくりさんには聞いちゃいけない事があるって話なんだけどね… こっくりさんが流行っていた時期に、当時小学生だったAちゃんも例に漏れずクラスの友達と放課後に集まってやっていた時の事。その日のこっくりさんは単語にならないような事もあったが答えてくれていた。しかし、小学生という事もあり聞くことを聞いてしまい"もてあまし"ている状態だった。次に聞く順番になってるAちゃんはふと思い出した事がありそれは、Aちゃんのお婆ちゃんが今入院しているという事を。そして、Aちゃんはそのお婆ち

          [禍話リライト]十円玉

          [禍話リライト]想像の家の中

          テレビやオカルト本なんかで"家の中に霊がいるか知る方法"だとか"霊感があるか知る方法"みたいなのが紹介されている。これは、心霊やオカルト系が好きな人なら知っている方法だけど興味のない人は知らない事だ。方法は、実家をイメージして玄関から入り窓を片っ端から開けていき、全て開けきったらそこからまた全て閉めて回る。この時に"何"か見たら霊感があり、そこに霊がいる…という事らしい。 これを、テレビで知った女子校に通うAちゃんは学校で友人にドッキリを仕掛けよう思い、正直に言うと怪しまれ

          [禍話リライト]想像の家の中

          【実話怪談】おかあさん

          これは私自身が体験した話です。 2018年の1月末に腰を痛めて、治療のため実家に帰りました。当時、行っていたリハビリも原因が分からず良くなれば良いかな、程度のものでしかなく痛み止めを飲んで対処するしかない状態でした。 実家に戻り通っていた病院を変えたら、痛み止め薬がとても強い薬で自律神経も乱れ体調も崩してしまいましたが、一向に良くなる傾向は見られませんでした。 その薬をやめて別の薬に切り替わってからも崩れた体調は中々回復しませんでした。 それから、少しして7月の末の水曜日。

          【実話怪談】おかあさん

          [禍話リライト]モナリザの娘

          ある小学校での話です。その学校の美術室にあるモナリザにまつわる話です。 美術室のモナリザといえば、学校の怖い話でも有名で「夜に見たらモナリザが動いた」だとか「指を指したら怪我をした」、「ある時間に見たら手の位置が違う」みたいな話があり今回の話はこれとはちょっと違うテイストの話です。 小学6年生の鈴木君は、同じクラスの佐藤さんに呼ばれて 「うちの学校の美術室にあるモナリザを午後6時に見ると顔が変わってるんだって。ちょっと興味あるから一緒に見てくれない?」 と言われました。鈴

          [禍話リライト]モナリザの娘

          創作怪談1;植え込み

          吉田さん(仮名)が大学を卒業して東京のとある企業に就職しました。就職の際に引っ越した部屋が会社までは電車で一駅、その最寄り駅までも徒歩で5分程度という立地にあるマンションに住み始めました。そのマンションの周辺には、スーパーもコンビニもあり立地条件が新卒入社の社員としては最高の立地でした。 ただ一つ気になっていることが、最寄り駅までの最短ルートにある公園の植え込みから白い腕が出ている…気がすることです。マンションに引っ越した初日に見たのですが、見た時に「え?何あれ??」とギョ

          創作怪談1;植え込み