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留学先大学でストライキが起きた話

(この記事のトップの画像は私が実際にキャンパス内で撮影した写真です)

日本で二十年ちょっと暮らしてきましたが、ストライキに遭遇したことは一回もありませんでした。トロントにきて半年経ったころ、私が留学しているヨーク大学(York University)にてストライキが発生したので、そのことについて記録しておきたいと思います。

なぜストライキが起きた?

ストライキの原因は大学運営とヨーク大学の教授・TAが多数所属している労働組合の交渉が決裂したことにあります。トロントは近年インフレが進んでいて、生活費がどんどん高くなっています。今は円が安いこともありますが、例えばラーメンを食べようとすると日本では1000円前後で食べられるところが、トロントでは2,000円~3,000円します。

労働組合は大学運営に教授・TAの生活を支えるために賃金を上げるよう要求していましたが、大学側が組合が納得できるような条件を提示しなかったため、交渉決裂となりストライキの決行が決まりました。

現在のキャンパスの様子

ストライキ1日目のキャンパス

2日前から始まったストライキは想像の数倍大規模なものでした。写真はキャンパスの中央広場にて撮影したものですが、たくさんの人が集まっているのがわかると思います。この背後にもたくさん人がいて、報道によると3,000人ほど集まっていたようです。ストライキの様子を取材・生中継するテレビ局のキャスターの姿もちらほら見られました。

翌日には私のいるKeeleキャンパスと別のキャンパスであるGlendonにて入り口の封鎖がストライキ隊によって行われ、バスや車の往来が妨げられるなど、ストライキが収まる気配はありません。

授業への影響

ストライキの影響で労働組合に所属している教授・TAが携わっている授業は軒並み休講状態になりました。私は今学期授業を3つ履修しているのですが、そのうち2つはひとまず今週の授業がなくなり、来週に予定されていた中間試験も中止になりました。月曜にある組合とは関係ない先生が教えている授業のみ通常通りのスケジュールです。私の映画専攻のルームメイトは科学についての教養科目以外はすべて休講になったと言っていました。

労働組合に入っていない教授の授業でも、組合とのSolidarity(結束)を示すために休講にしている授業もあるようです。また、ストライキ中も継続している授業について、それに出席することはストライキの効果を弱める可能性があるとして、学生には授業に出席するかしないかを選ぶ権利が与えられました。

一見「授業無くなるとかラッキーじゃん!」と思えるのですが、あくまでストライキ期間中に授業ができないだけで、ストライキが明けたら授業は再開します。今後どうなるのかは授業やストライキがいつ終わるかにもよりますが、遅れた分だけ試験の実施や学期の終了が後にズレる可能性もあります。

私は4/11に最後の試験が終わり、その数日後に帰国する予定だったのですが、ストライキの影響で延期になることが予想されるため28日の朝出国のチケットを仮で取っている状況です。日本に早めに帰りたいと思っていたのに、3週間弱ほど帰国が延期になりそうで正直ショックです。。。

ストライキへの反応

私は交換留学生で、1学年分のみここで勉強している立場ですが、今学期で卒業を考えていたヨーク大学の正規の学生は、卒業ができなくなってしまう・卒業が遅れてしまいそうで特に大変そうです。ヨーク大学はストライキがよく起きることで悪名高いらしく、今回のストライキは2000年以降5回目だそうです。組合のメンバーも現地学生もストライキが早めに終わることを祈っています。

自分もストライキのせいで帰国が遅れてしまいそうなのは残念で仕方がありません。ただ、日本ではなかなか無い貴重な体験ではあるので、前向きに留学の終盤戦に臨んでいきたいですね。


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