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孤独死現場で遺体を見つけてしまったが為に起きた出来事

遺品整理現場での知っ得シリーズ

だいぶ暖かくなってきましたが、寒の戻りもあったりと体調管理にはまだまだ注意が必要ですね。

こうした、寒暖差の激しい時期には孤独死の発生要因であるヒートショックなども起こりやすいそうですのでおひとり暮らしの方は特に注意が必要です。

さてさて、寒暖差は孤独死発生の一要因ではありますが、先日ある不動産会社の社長や店長さんとの会食の際にこんな話しを聞きました。

その不動産会社さんは高齢者や生活保護の方を積極的に入居支援している不動産会社さんなのですが、そうした入居者の方が多いためか、室内での孤独死という事態に頻繁に遭遇されるそうです。

私自身、遺品整理業を10年近く行っていますが、基本的にはご依頼が来る段階では既にご遺体は運び出されており、私達はご遺体があった箇所の清掃がメインとなりますので、ご遺体を発見するといったことはありません。(死後事務受任者としての安否確認で発見したことはありますが、、、)

しかし、その不動産会社の店長の方は第一発見者になることも多いそうで、いろいろと過去の発見エピソードを教えて頂きました。その中のひとつに、これは注意しないといけないという物があったので書いておきたいと思います。

高齢者の方が増え、ケアマネージャのような介護職の方が高齢者のご自宅へ訪問して生活のサポートを行うということは日常の風景になってきていると思われます。

今後は介護職の方が訪問した先で孤独死現場に遭遇する可能性も増加してくるかと思われます。

ちょうど今月、ケアマネージャ向けの遺品整理と死後事務に関する勉強会の講師を務めるところなのですが、そうした、介護職の方にご注意して頂きたい点が今回のお話しとなります。

普段の勉強会などでは、室内で孤独死が発生している場合の状況を説明して、玄関前でこうした兆候が見られたらひとりでは室内に入らずに会社や警察へ連絡をしましょうと案内しています。

遺品整理業者の立場からすると、孤独死現場ではその後に警察の捜査や鑑識などが入り、また室内に残されていた貴重品などの紛失などの際に余計な疑いが掛からないようにとのアドバイスなのですが、今回不動産会社の方のお話しを聞いて、遺品整理業者では体験しないことをひとつ教えて頂きました。

それは、孤独死現場を発見した際に一般的な方でしたらまずは「警察」へ連絡するかと思われます。

その不動産会社の方も警察へと連絡されたのですが、警察へ連絡した際に「救急」にも電話をするようにと言われたそうです。

当然、発見された方は「もう既に死んでいるのに救急?」と思われたそうですが、言われるがままに救急へと連絡を取ったところ、救急の電話口で「わかりました、すぐに向かいますので、あなたは応急救護を実施してください」と言われたそうです。

応急救護?車の免許を持たれている方ならご存知だと思いますが、事故などを起こした際に手当てできるようにと教習所で習うあれです。

しかし、入居者が既に亡くなっているのは遺体の状況や死臭などからあきらかなのに応急救護をしないといけないって、「えええええっ!」と、当然なりますよね。

「え、いや、もう既に亡くなっていますよ。遺体も腐乱してますし、、、、」とその発見者の方も孤独死を発見するのは初めてではないですので、救急の電話口に伝えたそうなのですが、「あなたは医者ですか?」と聞かれ、「いえ、違いますけど」と答え、「でしたら医師が死亡確認するまでは死亡かどうかは判明しません!」と言われてしまったそうです。

とは言え、身内ならともかく赤の他人でしかも腐乱している遺体ですから、無理ですと伝えたところ、でしたら代わりに救急車の誘導を行ってくださいと言われたそうです。

その話しを聞いて、救急の電話口で言っている事は間違ってはいないのでしょうが、無茶な事を言うものだと思いもしたわけです。

このケースは不動産会社の方が管理しているマンションで起きた事の為、管理会社で保管している鍵にて開錠して室内でご遺体を発見したがために起きた出来事とも言えます。

反対に言えば、ご遺体を発見していない状況、例えば玄関前で異常を見つけたという段階なら警察に連絡するだけでよかったとも言えます。

実際にご遺体を発見してしまったが為に応急救護をしてくださいと言われた訳であり、まだ遺体は見つけてないけれど、恐らく室内で亡くなっているという状況なら警察や消防が駆けつけて、室内の状況確認やその他の手続きも行ってくれますので、遺体を発見するかしないかでその後の対応が大きく変わってくるという実体験だったと思われます。

介護の現場に身を置くケアマネージャーのような方々の場合は、同じような状況になった場合、応急救護なんてやったことがないので出来ません!とは言えないでしょうから、もし、孤独死現場に遭遇したら?といった特殊な状況でもどのように対応するのかの取り決めは今後必須になってくるのかもしれませんね。

遺品整理や死後事務のご相談は名古屋の第八行政書士事務所までどうぞ~

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