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働きがい改革の考え方と実践

先日インタビューに伺った企業で「働きがい改革」をしているというお話を聞きました。

働き方改革はよく聞くけど、働きがい改革ってなんだろう?
似たような言葉ですが違いがありますので、なんだろうと思った方に読んで実践してもらえるように書いていきます。

働きがい改革とは何か?

💡働き方改革とは

働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革    ー厚生労働省「働き方改革

具体的には、「労働時間法制の見直し」や「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」といった施策で推進します。

💡働きがい改革とは

働きがい改革は、国が定義した改革ではありませんが、SDGsの目標の中で「働きがい」について言及があります。

8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

ディーセント・ワークは、ILO(国際労働機関)が掲げているスローガンで、日本労働組合総連合会は、8つの項目をポイントにしています。

Check1
安定して働く機会がある。
Check2
収入は十分(生活し、今後に備えて貯蓄ができる賃金)である。
Check3
仕事とプライベート(家庭生活)のバランスが取れている(長時間労働に苦しんでいない)。
Check4
雇用保険、医療・年金制度に加入している。
Check5
仕事で性別 (女性だから、男性だから)、性的指向・性自認による不当な扱いを感じることはない。
Check6
仕事で身体的、精神的危険を感じることはない。
Check7
働く人の権利が保障されていて(組合に入れる、作れる、会社と交渉できる)、職場での相談先がある。
Check8
自己の成長、働きがいを感じることができる。

Check1~7は働き方改革と被りそうな内容ですが、Check8は働き方とは違いがあるように感じます。

働き方改革と働きがい改革の違い

働き方と働きがいの違いについては、難しい定義を考えるよりも言葉にした方が感覚としてわかると思います。

「働きやすいな~」と「働きがいがあるな~」では、違いを感じませんか?
「働きやすい」と感じるのは、労働環境などの外的要因の場面で、「働きがいがある」と感じるのは、モチベーションに繋がる内的要因の場面であると思います。
学問的にも『ハーズバーグの二要因理論』として説明はありますが、今回は割愛します。

この違いは「エンゲージメント」と「従業員満足度」の違いに似ていると思います。

そう考えると、働き方改革従業員の居心地の良さを向上させますが、働きがい改革会社に対して自発的に貢献したいという意欲を向上させるのだと言えます。

明日から出来る働きがい改革

働きがいを感じるためには、働きやすさが前提としてあった方が効果的なので、働き方改革も同時に推進していく方がよいでしょう。
その上で、私が考えている働きがい改革をご紹介します。

①会社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を伝える
会社の方針がわからないと、自分たちは何を目指して頑張れば良いかわかりません。どういう行動を取ったら評価されるのかも明確になっていることが重要です。評価をされることは自信に繋がるからです。

MVVを作る際に私がオススメされたのは『カルチャーモデル』です。
組織を言語化していくためのシートもあるので、まずはどのような文化の会社なのかを言語化するところから始めてみてください。

②目標設定をする
従業員の個人的なキャリアビジョンはあったりなかったりしますが、会社の方針とすり合わせた上で目標設定をしなければ評価に繋がりません。
キャリアビジョンがある場合、自身のビジョンを叶えるために、会社でどういう経験を積むべきかを明確にします。ビジョンがない場合は、1on1面談をしてどう生きていきたいかを言語化します。

細かい項目はとりあえず必要ないので、「As Is」「To Be」というフレームワークで目標設定をしてみてください。

私が実際に使用している目標設定シートを添付しますのでご参考にどうぞ!

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※チェック項目になっているHARD目標は下記note参照です。

③定期的に対話する
「自己の成長」は、自分ひとりだけでわかるものではなく、周りからのフィードバックがあって、自信を持って成長したと言えると思います。

会社の方向性を伝え、目標設定をした上で、定期的に目標に近付けているかのチェックが必要です。
出来るようになったこと、もっと上を目指してもらいたいことなどをすり合わせる時間を持つようにしてもらいたいです。

働きがい改革はSDGsの目標になっているように、国際的に目指していくものです。それぞれの国や会社の状況によって改革手段は違ってくると思いますが、従業員に自発的に貢献してもらえる職場になるよう、今から少しずつでも改革を進めていけると良いと思います。

今回はここまで!次回をお楽しみに。

◆◇しごとば劇場◇◆
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