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企業に合わせた採用手段を選びたい~新卒採用編~

フリーランスになってから、数名~数百名の企業で採用のお手伝いをしています。企業規模が違うだけで、同じ職種でも求める要件や課題が異なるところが面白いと感じています。

現在、採用手段はエージェント企業からの紹介だけでなく、無料媒体やダイレクトリクルーティングツール、リファラル採用など、多岐に渡っています。

私の実体験を通じて、どのような採用手段を選んできたかについてお伝えします。今回は新卒採用編です。

学校連携に力を入れる

コロナ禍前の話になりますが、私が新卒採用を前任から引き継いだときは、大手ナビサイト頼りの採用でした。
その方法が悪い訳ではないのですが、大手企業が多数名を連ねる中で、中小企業ではネームバリューが無く、学生に気付いてもらえないことが多かったです。
大手ナビサイトは、掲載するだけでも100万円近く費用がかかりますので、採用人数が少ない企業だと、採用単価が上がってしまいます。

一方、学校で開かれる合同企業説明会は、ほとんどが無料または数万円で参加することができます。参加社数も限られるので、学生がブースに立ち寄ってくれることも多かったです。

そこで、私は学校開拓に力を入れることにし、下記の施策を実行しました。

①キャリアセンターへ挨拶に行く
事前に電話で連絡をすれば、ネームバリューの無い企業でも担当者が面談の時間を作ってくれます。
正直なところ、対応の熱量は担当者によりけりですが、求人票を持参すれば学校のシステムで掲載してもらえます。学校が契約している求人票サイトへの入力も必要な場合がありますが、採用ピッチのような付加情報があった方が、就職課の方が学生へ企業を紹介しやすいと思います。
コロナ禍の現在は学校によって対応が様々だと思いますので、電話で確認するのが良いでしょう。

②内定者の研究室・ゼミ・担任の先生を紹介してもらう
「内定のお礼」という大義名分でご挨拶に行きます。内定者と同じような思考・技術の学生がいる確率が高いからです。
お会いいただける先生であれば、ほとんどが生徒の就職先に興味がある先生なので、しっかりと会社についてお話を聞いてくださることが多いです。親切な先生だと、講義の時間を使って会社説明をさせて頂けることもありました。
大学によっては、1年毎に就職担当の教授が決まっている場合があるので、その場合は担当教授にも挨拶した方が良いと思います。

③内定者の(内定者がいなくても)サークルを訪問する
クリエイターの採用はとくに、新卒でも技術力が必要な場合があります。授業外の時間でモノづくりをしている学生は、技術力や知的好奇心が旺盛な場合が多いので、モノづくりをしているサークルに訪問します。
内定者がサークルに所属していれば、渉外担当に繋いでもらって訪問します。誰も繋がっていなければ、サークルのホームページからDMを送ります。
学生は、自分の技術が社会に出てどう活かせるのかに興味があるので、自社のエンジニアと何か出来るイベントを開くと喜んでもらえます。

以上の施策を実施してOBOGが増えると、口コミで会社の認知度がじわじわと上がります。内定にならなかったとしても「先輩に紹介してもらいました!」と会社説明会に来てくれる学生がいてくれたのは何よりもありがたかったです。

就活前から接点を作る

学生が本格的に就活をするのは卒業年次の春からの場合が多いですが、行動力のある学生はその時期よりも早く企業と接点を持っています。
もし、行動力や自己実現意欲の高い学生を探しているのであれば、早めに活動している学生と接触した方が良いと思います。私の場合は、下記の方法で接点を持っていました。

ただし、就活スケジュールは2021年卒から政府主導で進めているので注意が必要です。企業に要請しているだけで拘束力はありませんが、大手企業の就活スケジュールに影響があり多くの学生の動きにも影響があるので、情報収集はしておきたいです。

現状は「広報活動を大学3年次の3月から、面接開始を大学4年次の6月から」と決められており、広報活動前の採用のための個人情報取得は禁止されています。

新卒採用スケジュール_出典1_ok5hxb

新卒採用スケジュールの変遷より)

①インターンシップを実施する
現在「1dayインターンシップ」は経団連によって禁止されています。土日祝や長期休み期間で開催して、学業に支障がないようにしています。
先述したように、学生は自分の力が社会でどう活かせるのかに興味があるので、会社説明+オフィス見学では物足りなさを感じてしまいます。
現場からどれくらい協力を得られるかに寄りますが、働いている社員とワークをすることで少しでも業務を体感してもらえるような企画だと、応募者数が増えるでしょう。
ほぼ実務経験をしてもらうのであれば、アルバイトとして時給を払ってインターンシップをしてもらった方が法律的にも安心です。

参考:ヤフー株式会社の1~2weekインターンシップ

②イベントを開催する
インターンシップは職業体験目的が強いです。長期間の現場社員からの協力を仰ぎにくい場合は、短期間で実施するイベントを開催することも手段としてあります。
例えば、ハッカソンを開催して、3日間モノづくりをしてもらう間、社員からアドバイスをもらう時間を設けたり、作ったものに対して社員がフィードバックをする時間を設けたりします。

💡ハッカソンとは
ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語。 ソフトウェア開発する人が、 短期間に集中的に開発作業を行うイベントを指すことが多い。

社会人の視点で話を聞けるだけでも、学生にとってはかなり良い経験になるようです。表彰があると履歴書に記載している学生もいました。

③SNSで繋がる
最近はOBOG訪問ツールの種類が増えてきました。一時期OB側のセクハラ等で問題になりましたが、ツール自体は社会人と学生を繋ぐ良いツールだと思います。
学生は、自分の目指している仕事をしている社員から直接話を聞きたいと考えています。
企業の考え方にも寄りますが、学生側のメリットはもちろんのこと、社員にとっても自分のキャリアの振り返りができるというメリットがあります。

OBOG訪問ツールは下記のようなものがあります。

Twitterで就活の情報収集をしている学生もいるので、Twitter活用もおすすめです。

まとめ:その場限りではない採用

今までのやり方だと、大手ナビサイトで一括で説明会に動員して、一気に選考に進めるという方法が主流だったように思います。
しかし、新卒も通年採用に切り替える企業も出てきている中なので、従来通りのやり方だけでは通用しなくなってきています。

中途採用よりも新卒採用の方がポテンシャルを重視して採用するので、面接や短期的な接点では分からない部分もあるかと思います。
会社規模や価値観にも寄りますが、中長期的に学生と向き合えると、自社にマッチした採用ができるのではないかと思います。

また、新卒のタイミングでは入社に繋がらなかったとしても、数年後に別の機会でご縁がある可能性も充分にあると思います。そのため、不採用だったとしても薄く繋がることができたら、将来のタレントプールになりえると思います。そういう関係値を学生と築けると良いと思います。

次回は、中途採用編で私の経験を踏まえてお伝えします。
今回はここまで!次回をお楽しみに。

◆◇しごとば劇場◇◆
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