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あなたの人生の羅針盤となる本は何ですか?[ わたしのミチ-開催レポート ]

こんにちは。サインコサインをサポートしている高橋です。今回の記事では2021年7月30日〜8月7日に神保町の書店「無用之用」にて「問い直す書店」さんと共催した企画展+トークイベント「わたしのミチ-人生の羅針盤をつくる無用の知を問い直す」の開催レポートをお届けします。

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展示コンセプト

正解のないこの世の中を生き抜くなかで、
わたしたちはどこへ向かって進むのか
“あたりまえ”に用意された道はない
そうだとしたら、
羅針盤になってくれるものはなんだろう
自分にとって大切なものはなんなのか
羅針盤となる「本質的な価値」を問うてみる
そんな問いに向かい合ったとき、
これまで1つ1つ拾い集めてきた無用の知の集積が
確かに示してくれるものがあるに違いない
「個人理念」は人生の羅針盤だ
それはきっといくつもの「無用の知」の集積から成り立っている
それらを紐解き、共有・共鳴するとき、
未来を切り開く新しい着想が生まれるだろう

問い直す書店について

“あたりまえ”ってなんだろうをコンセプトに、見逃してしまいそうなちょっとした日常に目を向けるきっかけをつくる「本を売らない本屋」本を通して人と繋がり、対話を通して生まれる"あたりまえ"への問いかけを大事にしている。都内を中心に不定期で出店中。

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https://www.instagram.com/toinaosu_shoten/


理念書 × 本 〜 個人理念のルーツになる知は何か?〜

今回のイベントの会場となった本屋「無用之用」では、10名の方の個人理念と、その個人理念をかたちづくる集積された「無用の知」のひとつとして、個人理念に沿った本の紹介が展示されました。いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。

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「嫌われる勇気」を持てたことで自分の好きに集中できるように

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サインコサイン代表の加来さんが紹介されていた本は、アドラー心理学について解説したベストセラー『嫌われる勇気』。

加来さんの個人理念は 「自分の好きを信じて、自分を好きになってもらう。」です。まるで理念と真逆のようなタイトルではありますが、この本を通じて「嫌われる」勇気を持てるようになったことは自分のことを素直に「好き」でいていいんだと思える大きなきっかけになったとのことです。そして、自分の「好き」に素直に集中できるようになり、加来さんが考える「理想的な人生のサイクル」がより効果的に回せるようになっているそうです。

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過去の哲学者の思考プロセスと個人理念が重なる

今回の企画の共同主催者である「問い直す書店」の福田さんが紹介してくれたのは、少しマニアックな哲学書でした。

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子どもの頃から「謙虚に生きなさい」と言われて育ってきた福田さん。(確かに話し方や姿勢にも謙虚さがにじみでています!)しかし、当たり前のように意識してきた、”謙虚”ってなんだろう?ということを個人理念をつくる段階で考えられたことが、自分のためになったといいます。

鉄道会社で土木業に従事するなか、ある仕事で行政と関わる機会があり、そのときに初めて「公共性とは?」という、哲学に触れました。

現在「問い直す書店」を一緒に運営している藤原さんにハンナ・アーレントというドイツの哲学者の本を紹介してもらい、なぜその考えに至ったか、プロセスを知ることが大切だと気づいたそうです。

ハンス・ヨナスを読む』にであったきっかけは「たまたま本屋に行ったらあった」ということですが、日頃から本屋に行くと、自分の興味があるコーナーだけでなく、すべてのフロアをまわるようにしているそうです。個人理念に掲げる「謙虚に誰かと噛み合いながらともに回り続ける」ことを行い続けた結果として、「今だけでなく、10年後20年後どんな影響があるかを考えたい、もちろん良い影響が残ってほしい」という想いが、この本に書かれていることと個人理念に重なるとのことです。


無意識で ”ハイ” なときも一定の法則によって支えられている

8月6日には、ギャラリートークイベントも開催。参加いただたいた方にも簡単に理念書と本を紹介していただきました。

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フナヅクリさんの個人理念である「ハイになって走りながら、ハイレベルな課題をクリアし続ける。」における「ハイ」は”高い”というより”YES”のハイだそうです。イエスマン(自称)のフナヅクリさんは、「やってみたらできた」ということが多く、現在の肩書きのひとつであるDJも、人に披露できる趣味があればいいなと思い始められました。今DJをしているお店の店主から勧められた本が『ヘンテコノミクス』という行動経済学をマンガでわかりやすく解説した本です。

人間は理由や用がなくても無意識のうちに色々なことをやっているが、その結果として経済が回ることも多々あります。DJを通して気分を盛り上げたり、お店に少しでも長くいてもらえたり、人の心理に語りかけるようなDJができればいいなという想いが、この本をきっかけに生まれたそうです。

また、この本以外にも、理念に重なる一冊としてマンガや絵本を挙げる方も多く見られました。「一見難しくみえることの本質がわかりやすく書かれている」という点も、理念を象徴したり体現したりする本としてのポイントなのかもしれません。

想定外な本との出会いを対話のツールに

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今回のイベントは、サインコサインの加来さん、問い直す書店の福田さんと藤原さん、そして無用之用の片山さんの理念がクロスするところがあり、開催されました。

「無用之用」で販売されている本の半分ほどはお客さまによる選書だそうです。「当たり前の日常に光をあてる」など、各コーナーごとに掲げられた色々な切り口に沿って多様なジャンルの本が置かれているため、普段は出会えないような本にも出会える場所です。

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一方、「問い直す書店」は、書店と言いながらも、本の販売は行なっていません。本を売ることではなく、本を媒介として対話の機会をつくり、問いを通じてテーマへの理解を深めることを目的としています。

イベントごとにテーマを決め、問いかけをしており、今回の問いは「あなたにとって人生の羅針盤となる本は何ですか?その本を選んだのはなぜですか?」でした。

上記の問いに沿って、期間中に来場いただいた方にも色々な本を紹介していただきました。ごく一部を紹介するとこんな感じです。

来場者から紹介された本の一部

『 水滸伝 』
自分が女々しいなと思ったときに読む

『 竜馬がゆく 』
若い時、自分のことを書いてあると思った。今は彼と同じようには生きられないと気づいたけれど、心持ちは彼のようにいたい。

『 ONE PIECE 』
自分もこうありたい、自分のことが書いてある。自分の理念の地をいっている。ありとあらゆる選択肢を自由に選びながら、選んだ覚悟を持って進んでいく。

『 時間は存在しない 』
人それぞれ感じている時間の長さが違う。自分で時間の長さは決められる。当たり前だと思っていたことがそうじゃない。


本のようなフルーツサンドも片手に

また、7月31日には、にしむー食堂こと西村隆ノ介さんが作った「本のようなフルーツサンド」も販売されました。ちょっと大人の味のフルーツサンドを片手に、参加者同士の会話が弾みました。

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羅針盤となる一冊から、その人をより理解する、そして

”人生の羅針盤となる一冊を選んだ理由” として多く聞かれたのは、「迷ったときの助けになる」「自分のやるべきことを思い出させてくれる」といったものでした。また、「繰り返し読むことで思いがアップデートされる」といった声もありました。

個人理念は、それを信じて動き続けるためのものであり、だからこそ常に更新されていくものでもあります。まさにそれぞれの一冊が、個人理念の本来の機能を加速させるための役割を果たしていると感じることができました。

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そして、あなたが誰かの個人理念に重なる一冊を手に取ることは、誰かの個人理念にふれること。つまり、履歴書や肩書きなどだけではわからない本当のその人らしさを知るきっかけになるはずです。そして、その本を読んでみると、著者の声も借りながら、また違った客観的な視点でその人がその理念に至ったプロセスにも深く共感し、そこから新しい何かが始まるかもしれません。

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自分自身のことでも、他の誰かのことでも、人間という存在をより理解するためのツールとして、または人間と人間がより理解し合い調和し合うための対話や創発の媒介として、本の持つ無限の可能性を垣間見る機会になりました。

あなたには自分の羅針盤となる一冊はありますか?あなたの大切な人の羅針盤となる一冊は何だと思いますか?これまで以上に色々な想像を膨らませながら新しい一冊を手に取ることが、あなたの人生を変える出会いになるのかもしれませんね。


サインコサインは、「自分の言葉で語るとき、人はいい声で話す。」という信念のもとで、企業や個人の理念と理念で重なるパートナーシップ創出のために引き続き様々なアクションを行っていきたいと思っています。

何かご一緒できそうなことがあれば、是非お気軽にご連絡ください!



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