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#ジェンダー
「25の春、彼女は男だった」上
人生で、本当に滂沱の涙を流したのは、数度しかない。私はまだ27で、あと数日で28になる若者だから、今後何度もそんな涙を流す時に出会うのだろうが、それでもこれまでの幾度かは、死ぬまで忘れられないのだろうとも思う。
初めての涙は、母の貯めた金を盗んで使い込んだ時。彼女がその金を特別な思いで貯めていたのを知った時、自分の愚かさを身を切る程の痛みで知った。涙は止まらず、喉から聞いたこともない声が出た。
「25の春、彼女は男だった」下
性は、最近とみに重要視される様になった。頻繁に使うTwitterにも今年に入ってからちらほらと、男性同士の出会いのためのアプリケーションが広告で出てきたりするし、LGBTを公言する公人は増えた。だが頭で理解しても、直面すると理解を迷う時は多々ある。
それまで連れ添った恋人が男性だと理解するのは、かなりの苦しみを要した。私にとって、子供を作る事は人生で最重要の項目に思えていたから、まずそこに苦しん