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大切な機材の落下事故を防ぐために

「SIGMAカスタマーサポート便り」の第一弾として、カスタマーサポート部 Nより落下事故を防ぐために注意していただきたいポイントをお伝えします。

カバー写真は2020年12月に新しく設立されたシグマ会津工場のLC棟です。この棟の中にカスタマーサービス部門が在籍し、国内外から寄せられた製品の修理業務が行われています。写真は代表山木のツイートより。


今日の当番|カスタマーサポート部 N

はじめまして、SIGMAカスタマーサポート部のNと申します。当カスタマーサポート部は、本社と会津工場にあります。本社では製品や修理についてのお問い合わせなどを受けており、会津工場では実際の修理と国内外へのスペアパーツの供給を行っています。

私は昨年からこの部署に異動となりましたが、今までは販売・管理系の部署が長かったので、新鮮な気持ちで仕事に臨んでいます。そんな私が感じた、修理の現場での発見を共有したいと思います。

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さて、皆さんは交換レンズの故障について一番多い原因は何だと思われますでしょうか? 意外に思われるかもしれませんが、一番多い原因は落下などお客様ご自身の過失によるものです。交換レンズは高額なものが多く、落下による重修理料金もまた高額になってしまう可能性があります。ですので、取り扱いについての注意点を、今回はカスタマーサポート目線からお伝えできればと思います。

1.レンズは不安定

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自宅でも撮影現場でも、レンズを交換する機会は数多くあります。レンズは基本的に円柱状なので、横に置けば転がってしまいますが、ほんの一瞬ならば、と油断をしてテーブルから落としてしまう方が多くいらっしゃいます。また、全長が短いレンズ以外は、レンズを縦に置いた場合、何かの拍子に倒れてそのまま転がって…ということが起こりがちです。事前に少し注意するだけで落下事故は防げることも多いので、ぜひあらかじめレンズを置く場所が安定しているかなど確認していただければと思います。


2.フード装着は必須

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入社直後に大先輩から「フードは必ず付けなさい」と、アドバイスをいただいたことを覚えています。交換レンズはフードを装着した状態で、最高の性能を発揮できるよう設計されています。そのため弊社の交換レンズは一部の例外を除いて、ほとんどがフードを付属品としています。また、性能以外にもフードを装着した際の効能があります。

交換レンズをカメラに装着した状態で肩からストラップなどで吊るしていると、壁などにぶつけてしまうことがままあります。そうしたときに、フードがクッションとなって本体の故障を防いでくれたり、最悪落下させた場合にも破損はフードのみで、カメラやレンズ本体は故障せずに済むということもあります。私自身もdp2 Quattroを落としてしまったことがありますが、フードが破損しただけでカメラは無事でした。もちろんその後すぐに、新しいフードを購入しました。dp Quattroシリーズはdp0以外はフードが別売りですが、こういった防護効果もありますので、ぜひご購入をご検討ください。

3.三脚は意外と不安定

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手ブレを防ぐ頼もしいギアである三脚。こだわる方は、何本(何脚?)も所有して使い分ける方もいらっしゃるようです。半面、「三脚を倒してしまって、カメラと交換レンズが壊れてしまった」とお客様から悲痛なご相談を受けることもよくあります。機材を安定させるための三脚は、意外に不安定だったりします。
三脚の良いところは、撮影待ちの時間に自分で機材を持っている必要がないので、肉体的に非常に楽な点です。でも、その待ち時間に機材の周りを不用意にウロウロすると足で引っ掛けてしまうことがままあります。転倒に至らないまでも足をぶつけて冷や汗をかいたことのある方はかなりいらっしゃるのではないでしょうか。また、全ては紹介しきれませんが、ほかにもクイックシューの取り付け時や、三脚座にネジで固定する時など、三脚を使用する場合に注意すべきポイントは沢山あることを意識していただけるだけでも予防効果があるのではと思います。


4. それでも壊れてしまったら……

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と、ここまで書いてきましたが、細心の注意を払っても落下事故は起きてしまうと思いますので、最後に、落下修理が必要になった場合の修理料金についてもご紹介します。

SIGMA公式サイト「修理可能な製品一覧」

このページから、各カテゴリ、各製品の順に選択していただくと、該当製品の「点検・修理」ページの中に「費用の目安」があります。このなかの「重修理」の料金が落下修理費用の目安となります。よほど大破した、水没した、ということでなければ、たいていは重修理の料金を上限とみていただければ大丈夫です。

また、これ以外にも修理についてのお問い合わせは、メールやお電話でも承っておりますので、いつでもご利用ください。


記事中に使用しているイメージ写真は「Aizu, Japan Chapter Ⅲ」からの切り出しです。こちらの映像では修理部門の業務の様子と従業員のインタビューが収録されているので、こちらもぜひご覧ください。


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