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生きるってことは、愛だよ~成し遂げようと思って生きている今、もう成し遂げているんだよ。矢印を向けなさい。その先に思う姿に矢印を向けている今、もうその姿になっているんだよ。

入院2日前に一緒に見た浮雲。

手術の入院、間もなくだ。
やらなければならないことがいっぱいある。
電子書籍の出版準備、もう間もなく完成なのにと焦る。
今月社会福祉士会で講師を務めるのでそのコンテンツ作成
今月半ばまでにしなければ…・

入院2日前、
やっておくべきこと、入院の準備、
入院中、病気の妻が不自由しないように、買い物準備…

いろいろ考えたが、
天気がいいので、妻と近くの海の見える公園に行く。
そこでレジャーマット敷いて、一緒に空を見て寝そべる。

空に浮かんでいる浮雲が、海に映っている。
あー、きれいやー

妻と一緒に見る
きれいな景色を分かち合う。

なにかのドラマで
「よき思い出は、心の宝」と言っていた。
なにも、高い旅館に泊まったり、フルコースをいただくことだけが幸せではない。

近くの公園で、一緒にコンビニおにぎり食べていても
本当に幸せだと感じた。

いろいろしなければならないことは忘れて、
妻と一緒のこんな時間を過ごしたのは、何年ぶりだろうか。

妻の笑顔がしっかり焼き付いた。
妻も私の笑顔をしっかり見てくれた。

入院1日前

今日も天気が良かったが、妻の体調が思わしくなく、
ピクニックはあきらめる。

ゆっくり休んだらええで。

私がいない間に、安全に安心して過ごせるように、
食べやすいもの、体に優しいものを、手に取りやすい場所に準備する。
足もとが安全なように、生活の導線を整える。

でも、バタバタしている自分が、妻に気を使わせていた。

横に寝て、ゆっくりしゃべる。

いつしか眠りに落ちる。

入院当日の朝

お風呂が沸いている。
昨日入ろうと思っていたのに、沸かすのを忘れて寝入ってしまった。

妻が、体調が悪いのに、目覚めて沸かしてくれた。

「ありがとう、体調が悪いのに、無理したんと違うんか?」
と聞く。

妻は笑顔で答える。
「病院に一緒に行ってあげられなくてごめんなさい。
こんなことしかできなくて」

(でも現実のところ、家族が付き添っても、コロナ感染予防のため、面会できない。)

涙が流れそうになる。
「ありがとう。
ぼくは大丈夫だ。
帰ってきたら、またピクニックに行こ。」

矢印を向けている今、もうその先にいるんだよ

もうすぐ病院に出発。
気持ちが重くなる。

心に声がする。
「生きるってことは、愛だよ」

これから出版する電子書籍に書いた話の一つだが、
90歳のハナエさんが、亡くなる1週間前に下さった言葉だ。

その言葉の続きが聞こえた。
この話し方は、ハナエさんだ。

「生きるってことは、愛だよ。
なにかを成し遂げようと思って生きている今、もう成し遂げているんだよ。
矢印を向けなさい。
その先に思う姿に矢印を向けている今、もうその姿になっているんだよ。」

実在する奇跡の言葉

この言葉に続いてもう一つの言葉が聞こえた。
力強い男の人の声だ。

これは、私の剣道の恩師
土田国保先生が生前、お話し下さった言葉だ。
「病気をしたら、
しまったと思うのではなく、
しめたと思いなさい。

その間、ゆっくり、深いことを考えることができる。
勉強もできるかもしれない。

病気で休んでいる時間、
きみたちは何倍にも成長できるから。」

先生、
先生~!

涙が止まらなくなった。

神や、亡くなった恩師の霊が守っているのかどうかは、わからない。
しかし確かに思うことは、

心の中に、記憶の中に、奇跡の言葉が実在する。

この言葉をしっかり抱きしめて

手術に向けて出港します。

オカリナ、吹けるかどうかわかりませんが、

手術が成功したら必ず吹くという強い思いをもって

オカリナも病院に持っていきます。


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