見出し画像

ドイツ最新の高速列車 ICE 3neo【ドイツ・フランス鉄道旅行2024】

 5月28日、今日はドイツへ向かう。マイレージで予約した便はリヨン空港7時05分発LH1083便フランクフルト行である。まずは地下鉄B線でパールデュー駅に出る。ここから、5時30発Rhônexpressでリヨン空港へ向かうこととする。


 Rhônexpressは早朝は30分間隔の運転である。早朝から、多くの乗客がトラムを待っているが、なかなかトラムが来ない。電光掲示板では発車までの時間が表示されていたが、5時30分を過ぎると「あと29分」と変わってしまった。さらに10分経ってもトラムは姿を現さず、何の案内もない。これはサイレント運休に違いない。6時発のトラムを次を待つと飛行機の時間にギリギリになってしまうので、駅前に止まっていたタクシーに乗る。タクシーの運転手も、トラム来なかったよね、と話している。道路は空いており、空港へは6時過ぎに到着する。

 すぐに保安審査を通過するが、出発ゲートはアプリでは知らされているものの、空港内の掲示板では「ゲートは6時25分に案内する」とのことで、明らかにされていない。鉄道もそうであったが、プラットホームや搭乗ゲートを直前まで知らせないがという方法がフランスでは好まれるのであろうか。

 ルフトハンザのLH1083便はA320 (D-AIZZ) による運航である。早々と搭乗が完了し、定刻7時05分発のところ、6時53分には動き出す。7時05分に離陸すると順調なフライトで、8時07分にフランクフルトに着陸する。

 ドイツへ来ると、ホームグラウンドに帰って来たような安心感がある。まずはフランクフルト空港長距離駅に移動する。ホームへ行くと、ICE 3が停車していた。ジャーマンレールパスを持っていたので、このまま乗っても良かったが、この後の列車の座席を予約しているので見送る。

 駅構内のスーパーReweに入る。ここでKrustenbraten ローストポークのサンドイッチで朝食とし、再度ホームに戻り、発着する列車を撮影する。

 定刻9時21分発ICE 820は15分程遅れで入線してきた。ICE 3 (403形353編成)による運行である。予約していた1等先頭車のラウンジに腰を座る。

 今日はICEでデュッセルドルフへ行き、撮影を楽しむ予定であり、とりあえず今後の予定を検討するため、デュッセルドルフのICEの発着情報を確認する。しかし、普段よりもICEの列車本数がかなり少なく、ICE 4が1時間に1本走る程度である。どうやらケルンとデュッセルドルフ間で軌道修復工事が行われている関係で、長距離列車は迂回運転を強いられているが、線路容量が制限されていることから、多くの列車が運転区間を短縮されているのであった。これではデュッセルドルフに行っても、まともに撮影できない。熟慮の末、フランクフルト周囲での撮影に切り替えることにする。予定を柔軟に変更できるのは、ジャーマンレールパスを持っているメリットの一つである。 次の停車駅Sieburg/Bonnには10時10分に到着する。

 反対側のホームに行くと、フランクフルト中央駅行ICE 817が定刻で入線してきた。この列車は現在増備が続けられているICEの最新型、ICE 3neo (408形)による運行である。2編成併結されているが、実際に営業を行っているのは前側の8013編成のみで、後側の編成は回送扱いである。

 Siemens MobilityがICE 3をベースに開発した動力分散式高速列車 "Velaro"は、改良を加えながらスペイン・中国・ロシア・トルコ、さらにユーロスターとして運用されており、ドイツ鉄道にもVelaro D (407形)が17編成納入され、ドイツ国内やフランス直通列車で使用されている。408形もVelaroシリーズに位置付けられ、Velaro MS ("MultiSystem")と呼称されている。2019年8月に発注され、8両編成90本が納入される予定となっている。2021年には試運転が開始され、2022年12月5日より営業運用に用いられている。最高320km/hの性能を有し、4電源式でオランダ・ベルギーへの直通運用にも充当される予定となっている。
 408形の外観は407形と近いが、側扉数が異なり、また側扉の縁取りが強調されている。ICE 3neoには初乗車である。列車は10時16分に発車する。408形は407形に比べて車内設備に変更が加えられており、2等側先頭車には自転車置き場に新設された。その後ろには2+2列配置で2等席が並ぶ。408形のうち、初期に製造された8001~8016編成と8017編成以降ではインテリアデザインが一新されたが、今回乗車した8013編成は初期に製作された車両で、ICE 4と内装デザインは同様であるが、シートなど各種設備には改良が加えられており、バリアフリーに対応して、大掛かりな車椅子乗降用設備も設置された点も特徴である。

 ケルンとフランクフルトを高速新線経由で各駅停車で結ぶ短距離ICEのためか、車内は空いている。2等車を過ぎ、食堂車に行くと、売店もレストランもガラガラである。先ほど朝食を取ったばかりだが、「使って残そう、食堂車」というわけで、素通りする訳にはいかない。

 テーブルにつきメニューを開くと、ベネルクス料理特集をがい粉われて入り、フライドフィッシュのサンドイッチと生ビールをもらう。従業員によると、生ビールは今新しく開封したばかりよ、とのことで非常に美味しい。こんな一時を過ごせるのは、ICEの魅力の一つである。

 会計を済ませ、残った時間は1等席で過ごすことにする。新シートは十分な広さがあり、座り心地も良好である。タブレットを抑える治具が設けられるなど、細かい配慮がなされている点も評価できる。

 列車はMontabaur、Limburg Südと停車し、フランクフルト空港駅には定刻通り11時09分に到着する。 外観はスマートとはいい難い408形であるが、乗車する分には非常に良い車両であった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?