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ミカンの木に集ういきもの アゲハ蝶になるまで

アゲハイモムシの観察からしばらく時間がたってしまいました。暑い日が続いております。皆さま、水分補給してお過ごしください。

イモムシの絵本を描こうと思った事について書こうと思います。夫の実家がミカン山を持っていて収穫などの手伝いをしたことがきっかけでした。収穫は秋なのですが、山の空気が奇麗でミカンの実の付け根にパチンと鋏を入れるとプーンと柑橘の香りがして、秋の澄んだ日差しの中で凄く気持ちのいい作業です。視線をそらすと、は山の下にはのどかな田園風景の背景に東海道線と小学校の校舎、相模湾の海が広がります。

ミカン山から海青い

収穫は全体の作業からするととても楽しいものだと思います。夏は草刈りや摘果や選定など地道な作業が続きます。私はミカンの収穫という、ほんの一部の楽しい作業を手伝わせてもらっただけなのす。ミカンの山を維持していくのは大変なことで、近年は後継者も少ないようです。

美しい景色を描いて残したいなあと思ったのがキッケケとなりミカンの山を舞台にした絵本を描いてみました。

イモコ表紙絵

イモムシがイモムシのまま飛ぶというハチャメチャなストーリーです。絵本という形にしてみると、いろんな課題が見えてきましたが、自分の身近な人たちを含めた題材を選ぶことができ、ちょうど展覧会を目標に、出品した仲間たちと一緒に創作に取り組めて、非常に楽しく、作業出来ました。

内容については、いろんな問題点を編集者の方々に指摘されて、一時はションボリしてしまい、しばらく封印していました。しかし、この夏にベランダの鉢に来てくれた、アゲハのイモムシ君たちと蝶になるまで一緒に過ごしてみて、ちっちゃな白い脚でモコモコ歩く姿が可愛らしく、この長くフニフニした体の中には、既に蝶になる不思議と夢がギュっ、と凝縮してつまっているな、ヤッパリこれはいいモチーフだ!と再確認させてくれたのでした。何より、ゆっくりでも一生懸命、そして賢く生きる姿が本当に良いのです。イモコよ、私に思わぬプレゼントをくれて、ありがとう!

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また来てくれました。この子はクロアゲハのようです…

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